和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

地域課題解決のプラン発表 集中講座の修了式で神島高生

「神島塾」の修了式でビジネスプランを発表する神島高校の生徒(5日、和歌山県白浜町中で)
「神島塾」の修了式でビジネスプランを発表する神島高校の生徒(5日、和歌山県白浜町中で)
 地域について学ぶ神島高校(和歌山県田辺市文里2丁目)の集中講座「神島塾」の修了式が5日、白浜町中にあるIT企業の研修施設であった。受講生は、高齢者の生きがいづくりや新たなイベント創出など地域課題をビジネスの手法で解決するプランを発表。「私たちが行動して、地域を活性化したい」と意気込みを語った。


 神島塾は学年や学科を超えて参加できる課外活動で、本年度から始めた。地域で活躍する大人を講師に、5月から2時間の講座を4回実施。第5回は4日から2日連続であり、修了式では18人が四つの班に分かれてプランの発表に臨んだ。

 後大翔君(3年)の班は、田辺の冬に魅力的なイベントを生み出すプラン。春、夏、秋は大きなイベントがあるのに、冬にはないことに気付き、若者を中心に幅広い世代が集う場として考えた。

 扇ケ浜を会場に紀州材による巨大ツリーとイルミネーションを設置。地域の飲食店などに出店してもらうとともに、園児から高校生までさまざまな発表ができるステージを設ける―などとしている。

 後君は「もともと地域に関心はあったけれど、塾を通じ行動の大切さを実感した」と話す。すでに塾の講師陣らに相談しながら進めており「実際に動き出すと壁は出てくると思うけど、一つずつ乗り越えて実現したい」と力を込めた。

 蝉美沙貴さん(1年)の班は、高齢者が保護犬や保護猫と触れ合える喫茶店を経営するプラン。店舗は増えている空き家を改修して活用する考えだ。

 蝉さんは「地域と関われる機会と思い参加した。先輩や大人に囲まれ緊張したけれど、失敗してもいいやとチャレンジ精神が生まれた。この経験を生かしたい」と目を輝かせた。

 修了式であいさつした保富円那さん(3年)は「自分のやりたいことが分からないでいたけれど、地域で輝いている大人に触れ、ビジネスを勉強したいと思った。可能性を発見でき、大きく変われた」と話した。

 亀井真竜校長は「限られた時間でいいプランを発表できた。少しでも前に進めてほしい。地域のことをこれからも考え続けてほしい」とエールを送った。