和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

アジ、サバに脂質基準設け出荷 旬のおいしさ知って

入札時、箱に入れる「特選 紀和美」のラベル
入札時、箱に入れる「特選 紀和美」のラベル
脂質の含有量を測定する簡易測定器
脂質の含有量を測定する簡易測定器
 和歌山県中型まき網連合会(3船団)などでつくる特選出荷協議会は、マアジとマサバ、マルアジをブランド名「特選 紀和美(きわみ)」として出荷する。「脂の乗り具合」を示す脂質基準を独自に設け、合格したものだけにラベルを付ける。7月から旬を迎えるマアジから始める。今後、消費者へのPR方法を考えたいという。


 これら3魚種は一般の食卓でも知られるが、旬の脂が乗ったものはさらにおいしいことを知ってもらい、販路拡大につなげるのが狙い。

 2020年からブランド化を目指し、連合会と、和歌山南、紀州日高、比井崎の3漁協、県漁連、関係市町(田辺市、御坊市、日高町)で協議会を設立した。県も支援している。仲買人に協力やアドバイスを求め、意見交換会も開いてきた。ブランド名を決め、昨年7月、特許庁に商標登録の申請を出した。今年4月に商標として登録された。入札時に特選であることが一目で分かるように、ラベルを魚と一緒に箱へ入れるようにする。

 基準作りには県水産試験場が協力した。マアジ(旬7~12月)は重さ200グラム以上で脂質の含有量を簡易測定器で測る。マサバ(旬8~12月)は重さ600グラム以上として簡易測定器を使う。マルアジ(旬10~3月)は簡易測定器が使えず、重さが260グラム以上で尾叉長(びさちょう)が260ミリ以下に限って特選とする。

 協議会事務局を務める和歌山南漁協の羽夫瀬隆部長は「昨シーズンから試験的に始めたが、仲買人からは好評だった。今年は販促にも力を入れ、スーパーマーケットでも一目で分かる方法を考えたい」と話している。