和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

ごみ箱設置でポイ捨て抑制へ 新宮市内の国道168号

国道168号沿いにごみ箱を設置する県東牟婁振興局の職員(和歌山県新宮市南檜杖で)
国道168号沿いにごみ箱を設置する県東牟婁振興局の職員(和歌山県新宮市南檜杖で)
 和歌山県や新宮市は、地域の各種団体と「国道168号美化協議会」をつくった。道路沿いにごみ箱を設けることで、絶えないポイ捨てを少しでも抑制したいという。

 熊野川沿いを通る国道168号は、海沿いの国道42号を走るよりも短時間で田辺市街地と新宮市を結ぶルートで、行き交う車は多い。その影響か、道路脇には以前から、空き缶や空きペットボトル、弁当殻などのごみがよく捨てられていた。県東牟婁振興局は「こまめに回収していたが〝いたちごっこ〟のような状態だった」という。

 こうした状態を踏まえ、県が昨年9月、道の駅や待避所など3カ所にごみ箱を設置したところ、道路脇に捨てられるごみが25~40%減った。一定の効果は見込めるとして、別の2カ所で6月、新たにごみ箱を設けた。計5カ所では、可燃ごみ、ペットボトル、缶、瓶を捨てられる。各所に監視カメラも取り付ける。

 協議会を設けたのは、地域を挙げて不法投棄対策に取り組むため。ごみ箱の維持管理にかかる費用は、構成団体からの会費を充てる。ごみ回収作業は地域の福祉施設へ委託することで、障害者の就労支援にもつなげる。

 趣旨に賛同した清涼飲料を取り扱う市内の事業所は、使わなくなったごみ箱を無償で提供したという。

 協議会事務局の東牟婁振興局健康福祉部(新宮保健所)によると、同様の取り組みは県内では珍しい。担当者は「できるところから実績を積み上げていけるといい」と期待している。