和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月16日(土)

病院の高台移転で起工式 すさみ町

移転する国保すさみ病院の起工式で、神前に玉串を供える岩田勉町長(20日、和歌山県すさみ町周参見で)
移転する国保すさみ病院の起工式で、神前に玉串を供える岩田勉町長(20日、和歌山県すさみ町周参見で)
 高台に移転する国保すさみ病院の起工式が20日、和歌山県すさみ町周参見の建設予定地であった。紀勢自動車道すさみインターチェンジ近くの高台で、町施設が現地に移転するのは、周参見保育所、すさみ消防署などが入る防災センター、給食センターに続き4例目。

 現在の病院は、南海トラフ巨大地震で想定される津波浸水区域内にある。建物の老朽化や人口減少に伴う患者数の減少もあって、町は高台に新たに病床数を減らして建設することにした。

 新しい病院は鉄骨造り2階建て。延べ床面積約2745平方メートル。病床数25床。診療科は現在と変わらず、内科、外科、リハビリテーション科。駐車台数48台。建設費(空調なども含む)は13億3540万円。来年秋ごろに完成予定。

 現在の病院は1973年の開設。病床数72床(うち24床は休床中)。昨年度の入院患者は延べ4230人、外来患者は延べ1万6338人。

 施工業者の後工務店(上富田町生馬)が主催した起工式には、町や建設工事の関係者約20人が参列し、無事故での完成を祈った。

 岩田勉町長は「2011年の初就任の年から、津波対策は町の緊急の課題であり、長く構想していた高台移転がようやくかなった。病院は町民の日々の健康と命を守り、災害時、そして町の再生のためにも必要な施設。事故のないよう万全な工事をお願いしたい」とあいさつした。