和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

【動画】音巡り(5)今では観光スポット/自由に弾ける駅舎のピアノ/印南町

ピアノの上には芸術家が制作したカエルの作品があり、演奏曲を楽しんでいるようだ(和歌山県印南町印南で)
ピアノの上には芸術家が制作したカエルの作品があり、演奏曲を楽しんでいるようだ(和歌山県印南町印南で)
 和歌山県印南町印南、JR印南駅の待合室に一台のピアノがある。自由に弾くことができるので、電車を待つ人やピアノを弾くために訪れた人たちが気軽に利用している。

 駅舎は町が維持管理しており、ピアノは町内の保育園統合で要らなくなったものを置いた。駅舎内にピアノがあるのは珍しいと、今では観光スポットになっている。

 3年前に田舎暮らしを求めて町内に夫とIターンした寺澤美智子さん(69)は、月に2、3回は駅舎を訪れてピアノを弾いている。子どもの頃はオルガンを習っていたといい、今は趣味で自宅にある電子ピアノを弾いている。駅では買い物帰りなどに演奏を楽しんでいる。「弾くのは主に歌謡曲かな。駅舎の天井が高いので音が気持ち良く響いて、家で弾く電子ピアノとは雰囲気も違うし、癒やしになる。気が向いた時に好きなように使えるのでいい」と喜んでいる。

 夫の一嘉さん(70)は「駅にピアノがあるとは思ってもみなかった。自分だけ趣味の釣りに興じるのは気が引けるが、妻が楽しそうにピアノを弾いているのでよかった」と話す。
=おわり