和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

全国から52艇参加 串本で初のカヤック釣り大会

橋杭海水浴場を一斉に出て行く全日本カヤックフィッシングトーナメントの参加者(10日午前6時14分、和歌山県串本町くじの川で)
橋杭海水浴場を一斉に出て行く全日本カヤックフィッシングトーナメントの参加者(10日午前6時14分、和歌山県串本町くじの川で)
優勝した柿白拓也さん(左から2人目)ら入賞者と大会を企画した山岡一信さん(右)ら=和歌山県串本町くじの川で
優勝した柿白拓也さん(左から2人目)ら入賞者と大会を企画した山岡一信さん(右)ら=和歌山県串本町くじの川で
 和歌山県串本町の海を舞台に10日、カヤックに乗って釣果を競う大会「全日本カヤックフィッシングトーナメント」(実行委員会主催)が初めて開かれた。全国から52艇が参加し、同町くじの川にある橋杭海水浴場から沖合に出て釣りの腕前を競い合った。

 大会は「ファンキー山岡」という名前でプロアングラーとしても活躍している乗念寺(大津市)住職の山岡一信さん(54)が、釣り仲間と共に実行委員会をつくって開いた。

 実行委の会長を務める山岡さんは魚釣りで20年ほど串本町に通っており、南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長やフィッシングカヤックのレンタルにも取り組んでいる橋杭海水浴場の「ビーチハウス・ラパン」を営む青木寛さんらと交流。自身がカヤックフィッシングを始めたこともあり、海水浴客がいないオフシーズンのビーチや地域経済の活性化につながればと大会を企画したという。

 当初は昨年9月の初開催を予定していたが、コロナ禍のために中止。「第2回」として開いた今回が初開催で、南紀串本観光協会が後援した。

 参加者は午前6時過ぎ、太平洋から昇った朝日を浴びながら橋杭海水浴場を出船。船の往来の多い場所は避けるなどして設定したエリア内で、釣り上げた魚の2匹までの重量で競った。海上保安庁による安全講習もあった。

 優勝は62センチ・2860グラムのマダイを釣った大阪市の自営業、柿白拓也さん(54)。柿白さんは「昨年秋にもエントリーしており、参加できるのを楽しみにしていた。なかなか当たりがなく、1回でたまたま大きいのが釣れた。優勝できると思っていなかったのでラッキー」と笑顔を見せた。2位は45センチ・1560グラムと38センチ・700グラムのマダイを釣った藤本勲さん(大阪府)、3位は61センチ・1540グラムのマゴチを釣った赤澤克哉さん(さいたま市)だった。

 山岡さんは「無事に初開催できてうれしく、感無量。串本は大好きで、今まで釣りでお世話になったこの町に少しは恩返しができたのかなと思う。今後も毎年、串本でこの大会を開催できれば」、宇井事務局長も「山岡さんは常々、釣りを通じて地域の活性化に取り組みたいと言われており、今回、大会を初開催していただき大変ありがたい。紀伊大島や潮岬に囲まれて比較的穏やかで浜から出船もしやすく、カヤックフィッシングの適地として観光の目玉の一つになり得る。今後も串本で大会を続けていただければうれしい」と話していた。