和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

特急「くろしお」全車指定席に JR西日本

 JR西日本は17日、和歌山県の新宮や白浜と京都、新大阪を結ぶ特急「くろしお」について、来年3月12日のダイヤ改正から、全車を指定席にすると発表した。

 「くろしお」は6両編成、9両編成があるが、いずれも、うち2両を自由席としている。自由席は予約が不要で、料金も指定席より530円(通常期)安く設定されているが、この選択肢がなくなる。

 スマートフォンなどで指定席を予約する「J―WESTチケットレス」を利用すれば、通常の指定席料金より安い。「チケットレス」は「くろしお」の区間では、これまで海南―京都で利用できたが、ダイヤ改正に合わせ、紀伊田辺まで拡大する。

 同社和歌山支社によると、「チケットレス」は、予約の際、ネットで空席状況を見ながら自分で座席を選択できる。全車指定席化は、非接触のニーズが高まっている中、指定席数を増やし、それに応えたい狙いがあるという。

 特急の自由席に乗車できる「特急用定期券(パスカル)」については、2023年2月末を有効期限とするものまでは販売する。全車指定席化から期限までは、指定席に余席がある場合に利用できる。

 和歌山支社は「自由席がなくなることで戸惑われる方もいると思うが、ニーズに応え、より快適に利用していただけるようなサービスを提供していきたい」としている。

 事前に和歌山支社から説明を受けた県は「コロナ禍の対応と理解している。自由席を利用してきた人にとっては、値上げにつながるが、チケットレスを使えば割引があると聞いている。ただ、スマートフォンなどに不慣れな人の不利益につながらないよう、利用の周知や問い合わせ窓口設置について、引き続きお願いしていきたい」としている。

 JR西日本管内では、別の一部特急がすでに全車指定席となっているほか、「くろしお」以外でも、次のダイヤ改正で、全車を指定席にしたり指定席を拡大したりする特急があるという。