和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

ロケットとトルコを一皿に 串本のカフェが新スイーツ

日ト友好の町とロケットの町の両方をアピールしようと開発したスイーツ「トルコ星雲」と開発に携わった久堀るみさん(和歌山県串本町串本で)
日ト友好の町とロケットの町の両方をアピールしようと開発したスイーツ「トルコ星雲」と開発に携わった久堀るみさん(和歌山県串本町串本で)
 和歌山県串本町串本、トルコ料理や雑貨の販売などをしている「タイヨウのカフェ」が、同町田原にできる日本初の民間小型ロケット発射場からの初号機打ち上げに向け、トルコとロケットを融合させたスイーツ「トルコ星雲」を作り、1日から販売を始めた。日本とトルコで人気のある2種類のトルコスイーツを使って宇宙を表現した一皿。「『ロケットの町』と『トルコ友好の町』を象徴する新名物に」と意気込んでいる。


 タイヨウのカフェは「経済活動を通じて日本とトルコの友好の歴史やトルコの文化を伝えたい」と、白浜町で「紬カフェ」を営んだり、トルコ雑貨の輸入販売などを手掛けたりしている会社「KCR」(本田景士社長)が経営。同社が日ト友好の原点となったトルコ軍艦エルトゥールル号の遭難事件(1890年)の史実を基にした絵本「タイヨウのくにとツキのふね」を発行した縁で、2019年3月、串本町串本にある「WAY書店串本店」内にオープンした。トルコ料理や雑貨の販売、ワークショップの開催などに取り組んでいる。

 同町出身の本田社長(39)は、発射場「スペースポート紀伊」からのロケット打ち上げで町を盛り上げたいと、町内の飲食店などが協力して串本名物などを使った「宇宙食メニュー」やその詰め合わせ「まるごと串本ロケット」を開発する取り組みに企画から参加。同店が開発した「トルコ星雲」はその一環でもあり、トルコスイーツとして日本で最も有名な「トルコアイス」を彗星(すいせい)に見立て、星雲を模した綿菓子の中にトルコで一番人気というパイ生地スイーツ「バクラヴァ」を入れたほか、粉糖で星を描くなどして皿の上に宇宙空間を表現した。さらに、綿菓子にはロケットをイメージした線香花火を刺しており、点火して打ち上げを演出する。価格は1280円(税込み)。

 本田社長は「ロケットの町が誕生することを町全体で盛り上げたい。観光要素に食は必須で、宇宙にちなんだ食を通じ、訪れた人にトルコとつながりが深い串本の良さを知っていただけたらとの思いで作った。見栄えも良いのでSNSを通じて発信してもらうことで、串本のPRにつながればうれしい」。本田社長のアイデアを基に開発に取り組んだ久堀るみさん(31)も「何度も試作を重ねた。メッセージを追加することもできるので、誕生日などのお祝いの席でも喜んでいただけるスイーツができたと思う」と笑顔を見せた。

 また、ロケットにちなみ、トルコランプで月を表現したフォトスポットも近々、店内に設ける予定という。

 カフェの営業時間は午前10時~午後7時。年中無休。問い合わせはタイヨウのカフェ(070・3317・4075)へ。