和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年06月25日(土)

コロナ対策に注文続々 岸田新総裁にまちの声

 自民党総裁選の投開票が29日にあり、新総裁に岸田文雄氏(64)が選出されたのを受け、和歌山県紀南地方でまちの声を聞いた。「落ち着いていて、話を聞いてくれそう」と好意的な反応がある一方、「頼りない」の声もあった。政策では、新型コロナウイルス対策や地方に目を向ける姿勢について注文が相次いだ。


 白浜町の宿泊施設に勤務する女性(48)は「新型コロナ問題で国の施策と商売が直結していると実感した。助けられもすれば、振り回されもする。今後問題が起こった際、全てにブレーキをかけるのではなく、『経済を動かしながら』の視点を持ってほしい。何をしてはいけないではなく、『どんな形ならできるのか』と一歩踏み込んで考えてもらいたい」と要望した。

 田辺市湊で飲食店を経営する男性(57)もコロナ禍に翻弄(ほんろう)された一人。「頼りない印象で、自民党は変わるだろうか。さまざまなコロナ対策が展開されると思うが、一部だけが得するのではなく、困っているところに助けが届く平等な政策をお願いしたい。報道では庶民の声を聞く姿勢を強調しており、それを実践してほしい」と最初の一手を注視する。

 医療の現場に立つ白浜町在住の看護師女性(63)は「職場ではワクチン接種関連業務をデジタル化し、携帯で確認できるシステムにしてほしいとの声がある。コロナの予防にしても、まだまだ対策ができていない」と改善を求めた。

 地方にもっと目を向けてほしいとの声も多い。

 みなべ町西岩代の農業男性(40)は「討論会で『もうかる農業、担い手、若い人に魅力ある農業をつくらないといけない』と言っていた。食料は国民を支えるものだと農業を最重要視し、現場の声を聞いて実行してほしい。農業者を生かす政策に注力してほしい」と要望する。

 今春短大を卒業して、田辺市の建設会社に就職した女性(20)は「落ち着いていて、話を聞いてくれそう。紀南から進学する場合は、ほとんどが県外。お金もかかるため、それで諦めてしまっている人もいる。奨学金制度を充実させ、可能性を支えてほしい」と若者の声を伝えた。

 白浜町の無職男性(73)は「一番は農業振興。後継者不足、耕作放棄地の深刻さを感じてほしい。念願の総理になる岸田さんには、とにかく思い切り頑張ってもらいたい」とエールを送った。

 菅義偉首相が発信不足を指摘されていたこともあってか、田辺市稲成町在住でIT企業社員男性(54)は「国民に思いが伝わるよう、しっかり発信してほしい」と強調。その上で「日本はグローバルな競争力が落ち込んでいる。最先端分野へも、しっかり投資してほしい」と話した。

■各党がコメント

 自民党の総裁が岸田文雄氏に決まったのを受け、県内各党がコメントを出した。



 自民県連・山下直也幹事長 新総裁は、国難ともいうべきコロナ禍の日本に元通りの生活、そして平穏な日々を必ず取り戻すことができると確信している。

 公明県本部・多田純一代表 今後、連立政権合意が結ばれることとなると思うが、それが県民の皆さまに新たな期待感を持っていただけるように力を合わせていきたい。

 立憲民主県連・山本忠相幹事長 民主主義を危機に陥らせたのは自民党自身であり、安倍・菅両政権である。後始末から始めなくてはならない、岸田氏の次の一手を注視したい。

 共産県委員会・下角力委員長 「コロナ対策を議論しよう」という野党の臨時国会の要求を無視して行われたのが総裁選。総選挙では野党連合政権の実現を目指す。

 日本維新の会県総支部・林隆一幹事長 想定通りで順当な結果。派閥がらみで誕生した総裁であり、自民党の派閥政治を継承したという印象である。自民党改革には程遠いと考える。

 国民民主県連・浦口高典幹事長 新総裁ご就任へのお祝いを申し上げる。しかし、どなたが総理総裁であろうが、衆院選では「政権」を懸けて、正々堂々と戦うことを宣言する。

 社民県連・東山昭久代表 新型コロナの深刻な状況下、命と暮らしに背を向ける自公政権では命は守れない。次期総選挙で政権交代に向け、全力で戦う。

■「コロナ対策は分析、反省を」 仁坂知事、新総裁に注文

 仁坂吉伸知事は29日、報道陣の取材に応じ、岸田文雄自民党新総裁について「非常に聡明(そうめい)で熱心で誠実な方だ」とし「首相になれば、立派な国政をつくり上げてほしいと心から期待する」と話した。

 その上で、新型コロナウイルス対策について「政府の政策が全部良かったか、欠けているところがなかったか、効かないことを一生懸命やらなかったかなど、分析をきちんとやって、反省をしとかないといけない。データや科学的な論理を用いて、準備をしてほしい」と注文。

 また「東京一極集中も大変な問題」とし、首都圏から地方への流れをつくるよう、強力に推進してほしいとした。