和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

田辺の未来どうする? 高校生と市長がオンライン座談会

高校生と真砂充敏市長が田辺市の将来について語り合ったオンライン座談会(和歌山県田辺市役所で)
高校生と真砂充敏市長が田辺市の将来について語り合ったオンライン座談会(和歌山県田辺市役所で)
 和歌山県田辺市の課題や未来をテーマに、市内の高校生と真砂充敏市長による座談会が15日、オンラインであった。10年後、20年後を見据えながら、住み続けたいまちにするためにはどうすればいいかを語り合った。


 市は現在、市政運営の基本方針となる「第2次総合計画」(2017~26年度)の後期基本計画作りに取り組んでいる。

 将来を担う若い世代の声も聞こうと、座談会を企画。「広報田辺」の高校生リポーターを務める古久保天音さん(南部龍神3年)、岸裏茉波さん(田辺2年)、岡﨑晴香さん(神島2年)、丁子奈月さん(田辺工業2年)が参加した。

 高校生の立場から見た「田辺市の良いところ」については「自然が豊か」「食べ物がおいしい」という意見でほぼ一致。一方で「駄目なところ」については「観光資源がたくさんあるのに、PRが足りない」「外灯や歩道がないなど、危ない道路がある」といった指摘が飛び出した。

 20年後も住み続けたいまちにするために、必要なこととして多かった声が「やりたい仕事があること」。その上で「幼少期に遊んだ自然が変わらずに残っていれば、きっと戻って来たくなると思う」「無理に都市化せず、程よい住みやすさを保ってほしい」といった意見も出された。

 真砂市長は「働くスタイルが変わり、二地域居住など生活のスタイルも変わってきている。新しい仕事をつくるというのも一つの方法」と回答。観光以上、移住未満で特定の地域と関わり続ける「関係人口」の創出に力を入れていることも紹介した。

 後期基本計画は、市が作成した原案について、市民代表や学識経験者らでつくる審議会(35人)がそれぞれの立場から意見や提言を出し合っており、来年2月に市長に答申する予定。

 審議会の会長でこの日のコーディネーターを務めた藤田武弘・和歌山大学観光学部教授は「皆さんの声を計画にしっかり反映させていきたい」と話した。