和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

白良浜の安全守れ 白浜町職員がライフセーバー講習修了

インストラクターの富岡正登さん(右端)から救助方法を教わる受講者=和歌山県白浜町の白良浜で
インストラクターの富岡正登さん(右端)から救助方法を教わる受講者=和歌山県白浜町の白良浜で
 和歌山県白浜町の白良浜で、ライフセーバー育成講習会があり、町職員らが受講して基礎的な知識を学んだ。近畿有数の海水浴場・白良浜を有する町が「地元で育成したい」と考え、2018年度から継続している事業で、講習を修了した職員は来年夏以降、白良浜に配置される予定という。


 受講者の4人は2~5日、心肺蘇生法や、海で溺れた人を専用の浮具やレスキューボードを使って助ける方法を学んだ。砂浜を200メートル走った後に海で200メートルを泳ぎ、もう一度砂浜を200メートル走る「ラン・スイム・ラン」では、8分を切るというハードルも乗り越えた。

 以前から受講を考えていたという町観光課の廣畑香月さん(27)は「ライフセーバーとして活動する時間以外でも、いざという時に誰かの命を救える力を身に付けられたと思う。来年に向け、しっかり復習やイメージトレーニング、体力づくりをしておきたい」と話していた。

 4人を指導した日本ライフセービング協会(JLA)インストラクターの富岡正登さん(47)は「事故が起きないような環境づくりや危険を回避するための情報の提供が、ライフセーバーにとっては何よりも大切。(来夏以降は)そうした点にしっかり取り組んでほしい」と話した。

 町がライフセーバーの育成を始めた18年度から20年度までに、町職員や警備会社の社員ら20人が講習を修了しており、JLAが白良浜へ派遣する大学生らのライフセーバーとともに海水浴シーズンを支えている。

■女子大生の参加も

 今回の講習には、大学3年生の岩本幸さん(22)=京都市=も参加。町職員3人と一緒に受けた。ライフセーバーの資格を持つ友人がいることがきっかけで自ら申し込み、男性陣と一緒に実技をこなした。「来年以降、白良浜で活動できればいい」と展望している。

 4日間を振り返り「腕や足にあざができたのは頑張った証しかな」と笑いつつ「波にもたくさんの種類があることなど海の知識を得られたのがよかった」と話していた。