和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

一夜限り、月下美人華麗に みなべ町の並木さん方

並木佐智子さん(左)方の軒先で咲いた月下美人=和歌山県みなべ町堺で
並木佐智子さん(左)方の軒先で咲いた月下美人=和歌山県みなべ町堺で
 和歌山県みなべ町堺、並木佐智子さん(87)方の軒先で4日夜、月下美人が純白で華麗な花を17輪咲かせた。一夜限りのはかない美しさで上品な香りもあって、並木さんはうっとりと眺めていた。

 並木さんは30年以上前に知人からもらった茎を挿し木して育て、株分けして三つの鉢に植えた。2年で花をつけ始め、それから毎年咲いている。高さは2メートルほどに成長し、3鉢合わせて50輪咲いた年もあったという。

 今年は6月に1回目の花を咲かせた。2回目は今月3日に4輪咲き、5日に17輪咲いた。

 4日は咲き始めたのが午後8時半ごろで、9時半ごろにはほぼ満開となり、直径が15センチほどに広がった。

 並木さんは、この花の美しさと香りの良さが大好きで、毎年咲くのを楽しみにしている。「水や肥料をやって世話を続けている。かなり古くなってきたが、今年も花を咲かせてくれた」と目を細める。「この美しさが一晩で終わるのはもったいない」と、花を摘み取って近所の人に上げることもあるという。

 月下美人 中米原産のサボテン科の常緑多肉植物。花は初夏から秋にかけ、数回に分かれまとまって咲く。花が放つ香りは良く、香水やアロマオイルに利用される。花や実は食用や薬用に使われる。