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2024年12月19日(木)

ワクチン接種で全員が抗体 くしもと町立病院職員

職員を対象に行った新型コロナウイルスの抗体検査の結果を公表したくしもと町立病院(和歌山県串本町サンゴ台で)
職員を対象に行った新型コロナウイルスの抗体検査の結果を公表したくしもと町立病院(和歌山県串本町サンゴ台で)
 和歌山県串本町サンゴ台のくしもと町立病院は13日、新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた病院職員を対象に血液中に抗体があるかどうかを調べる検査をしたところ、全員が抗体を獲得したことが分かったと発表した。ただ、時間の経過とともに目安の数値を下回ったケースも確認。同病院は「ほぼ全員が十分な抗体を獲得できたことが確認できたが、不十分なケースも中にはあるので注意は必要」としている。

 医療従事者への先行接種により、同病院では4月上旬までに職員約200人ほぼ全員が2回のワクチン接種を完了。その1~2カ月後に、うち147人(20~70代)が採血による抗体検査に協力した。

 その結果、全員が抗体を獲得できていると見なされる数値(15ユニット/ミリリットル)を上回った。このうち143人が、より発症を抑制できるとされる数値(132ユニット/ミリリットル)以上だったが、残る4人については、2人が副反応が強かったために1回のみの接種だったこと、残り2人は持病のため免疫抑制剤を服用していたことが影響したとみられるという。また、年代ごとに数値を見た場合、20代が高く、年代が高まるにつれて下がる傾向が見られた。

 ただ、数値が「300ユニット/ミリリットル」より低かった12人を対象に、改めて接種の3カ月後に抗体検査をしたところ、免疫抑制剤を服用していた2人の数値が「15ユニット/ミリリットル」を下回ったことを確認。対象者には、ワクチン接種をしても抗体ができていないと自覚した上で職務に当たるよう注意喚起したという。

 今後は、ワクチン接種してから半年後にどのように抗体の数値が変化したかや、服用している薬、飲酒との関係について調べる予定。

 くしもと町立病院では2回目のワクチン接種を終えた人を対象に、抗体が獲得できているかを確認するための抗体検査を受け付けている。費用は4千円(税込み)。問い合わせは同病院(0735・62・7111)へ。