和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月29日(金)

梅畑のアンズが収穫期 個人販売で好評

だいだい色に色づき、収穫時季を迎えた梅畑に植えているアンズの実(3日、和歌山県田辺市稲成町で)
だいだい色に色づき、収穫時季を迎えた梅畑に植えているアンズの実(3日、和歌山県田辺市稲成町で)
 和歌山県田辺市稲成町の農家、田本好夫さん(64)の梅畑で、栽培しているアンズが収穫時季を迎えた。赤い色が特徴の梅「露茜」の授粉用として植えた木が大きくなって実をつけるようになり、量は多くはないが、個人販売を始めたところ好評だという。

 田本さんは15年ほど前から、稲成町の約7アールの畑で露茜を栽培している。露茜は果皮や果肉が赤く、加工品の材料として引き合いが強いが、自家受粉せず、開花が遅く、主力の南高梅と開花期が合いにくい面もある。

 そのため、田本さんは、露茜の授粉用として良いのではないかと考え、畑を囲うように10種類くらいのアンズを約20本混植した。それが成長し、少しずつとれる量も増えてきた。5、6年前から、関東の知人などに販売したところ好評で、紹介で広がり、新たに買ってくれる人も出てきているという。

 今年もだいだい色や紅色など、品種によって色や大きさの異なるさまざまな実がなった。生育が早めで、好天の気温が高い日が続いたこともあり、落ちてしまった実も多いが、3日から収穫にかかった。実が傷まないように、緩衝材をかぶせて販売先に送る。収穫は来週初めごろまでという。

 田本さんによると、これまでのところ露茜とアンズは開花期がほとんど合わず、当初の目的はかなっていないが、木は梅の木の風よけの役割もしてくれているといい「独特の味でおいしい。アンズを栽培するのも面白い」と話している。