梅収穫に頼もしい助っ人 援農者紹介の会社に注目
農業の担い手と同様に収穫期の人手不足が課題となる中、農家に援農者を紹介する和歌山県みなべ町清川の会社が注目されている。県内では主に梅農家へ紹介しており、昨季は3戸に計7人だったのが、今季は2日現在で15戸25人に増えている。今季は梅が豊作傾向なのも要因の一つで、農家にとって頼もしい助っ人だ。
農家に援農者を紹介するのは、昨年5月に京都府和束町から清川に移住してきた山下丈太さん(39)が経営する「アグリナジカン」。山下さんは、2014年に茶産地である和束町で「ワヅカナジカン」と名付けた援農プロジェクトを始め、昨年3月に会社を設立した。活動の中で知り合った農家との縁で、みなべ町や山口県阿武町でも援農者を紹介するようになり、農業が盛んなことに加えて地域の雰囲気が気に入ったことから、活動拠点を和束町からみなべ町に移した。
そのころ、援農者を紹介していたのは3町の農家だけだったが、知り合いの紹介などで、新たに京都府や奈良県の3市町と日高川町の農家にも広がっている。
インターネットを使った援農者の登録も約80人だったのが約180人に増えている。年代は20代~40代で、遠くは北海道や九州の人もおり、山下さんは「男女比は半々。医療や観光関連の仕事をしていた人が多い感じがする」と話す。
みなべ町での紹介は昨季、清川と岩代地域の3戸で計7人。今季はそれに高城と上南部地域が加わり、13戸で計18人になった。さらに日高川町で2戸計7人。梅の収穫はこれからがピークになるため、今後さらに増えるとみられる。
収穫期の人手は、農家がそれぞれ知人に頼んだり、ハローワークや新聞広告で募ったりしている。しかし、高齢化などにより確保は難しく、みなべ町内の農業関係団体や町、JAが連携し今季、他府県から援農者を受け入れることも計画したが、コロナ禍で中止。近畿農政局が企画した有給休暇を利用して収穫や観光を楽しむ「援農バケーション」も実施できないでいる。
「アグリナジカン」は、現地に入る10日前から検温を徹底し、37・5度以上の日があっても農家が予定通り受け入れるのであれば、PCR検査をして来てもらうように取り決めている。抗原検査を求める農家もいるという。
山下さんは「地域の課題を解決するために始めた。援農者にも喜んでもらえている。移住した人もおり、さらに増えることを期待したい」と話す。県内でさまざまな産地を巡って1年間通して農業体験する企画も計画している。
■「日本一の梅」のPRも
援農者の一人、北海道出身で長野県に住む中村勝さん(30)は5月下旬から、山下さん方の離れで寝泊まりしながら近くの山本宗一郎さん(33)らの梅収穫作業を手伝っている。「スキーシーズンに民宿を手伝っており、残りの時季には海外にも行って農作業を経験している。将来は農業をしながら民宿経営をしたいと思っており、経験を生かせればと思う」
昨年に続き、援農者2人を受け入れた山本さんは「地元だけでの人手確保は難しくなってきているので、県外の人に手伝ったもらうことにした。日本一の梅と地域のPRにもつながればと思う」と話す。
農家に援農者を紹介するのは、昨年5月に京都府和束町から清川に移住してきた山下丈太さん(39)が経営する「アグリナジカン」。山下さんは、2014年に茶産地である和束町で「ワヅカナジカン」と名付けた援農プロジェクトを始め、昨年3月に会社を設立した。活動の中で知り合った農家との縁で、みなべ町や山口県阿武町でも援農者を紹介するようになり、農業が盛んなことに加えて地域の雰囲気が気に入ったことから、活動拠点を和束町からみなべ町に移した。
そのころ、援農者を紹介していたのは3町の農家だけだったが、知り合いの紹介などで、新たに京都府や奈良県の3市町と日高川町の農家にも広がっている。
インターネットを使った援農者の登録も約80人だったのが約180人に増えている。年代は20代~40代で、遠くは北海道や九州の人もおり、山下さんは「男女比は半々。医療や観光関連の仕事をしていた人が多い感じがする」と話す。
みなべ町での紹介は昨季、清川と岩代地域の3戸で計7人。今季はそれに高城と上南部地域が加わり、13戸で計18人になった。さらに日高川町で2戸計7人。梅の収穫はこれからがピークになるため、今後さらに増えるとみられる。
収穫期の人手は、農家がそれぞれ知人に頼んだり、ハローワークや新聞広告で募ったりしている。しかし、高齢化などにより確保は難しく、みなべ町内の農業関係団体や町、JAが連携し今季、他府県から援農者を受け入れることも計画したが、コロナ禍で中止。近畿農政局が企画した有給休暇を利用して収穫や観光を楽しむ「援農バケーション」も実施できないでいる。
「アグリナジカン」は、現地に入る10日前から検温を徹底し、37・5度以上の日があっても農家が予定通り受け入れるのであれば、PCR検査をして来てもらうように取り決めている。抗原検査を求める農家もいるという。
山下さんは「地域の課題を解決するために始めた。援農者にも喜んでもらえている。移住した人もおり、さらに増えることを期待したい」と話す。県内でさまざまな産地を巡って1年間通して農業体験する企画も計画している。
■「日本一の梅」のPRも
援農者の一人、北海道出身で長野県に住む中村勝さん(30)は5月下旬から、山下さん方の離れで寝泊まりしながら近くの山本宗一郎さん(33)らの梅収穫作業を手伝っている。「スキーシーズンに民宿を手伝っており、残りの時季には海外にも行って農作業を経験している。将来は農業をしながら民宿経営をしたいと思っており、経験を生かせればと思う」
昨年に続き、援農者2人を受け入れた山本さんは「地元だけでの人手確保は難しくなってきているので、県外の人に手伝ったもらうことにした。日本一の梅と地域のPRにもつながればと思う」と話す。