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2024年12月19日(木)

【動画】稚アユ放流1・5倍 古座川の七川漁協

稚アユを放流する七川漁協の関係者(和歌山県古座川町添野川で)
稚アユを放流する七川漁協の関係者(和歌山県古座川町添野川で)
 和歌山県古座川町にある七川ダムから上流を管轄する七川漁協(中田善和組合長)は21日、6月5日のアユ釣り解禁に向け、稚アユ約900キロを放流した。大手釣り具メーカー「シマノ」(堺市)からの支援を初めて受け、放流量は例年の1・5倍に増加。漁協では今年、禁漁区を設けるなどしてアユの産卵を守り、生まれたアユがダム湖で育って再び川に戻ってくる「再生産」につながることも期待している。


 この日の放流には、関係者約20人が参加した。ダム上流にある古座川の本流や支流である添野川、平井川の各地でホースを使ったり、バケツリレーをしたりして、県内水面漁連から購入した体長9センチほどの海産や人工産の稚アユを放流。放たれた稚アユは上流に向かって元気に泳ぎだした。

 今回、漁協の放流に協力したシマノは「釣り人の減少で各漁協が苦労されており、日本の釣り文化の象徴でもあるアユ釣りを守りたい」などとして試験的に支援。放流に立ち会った同社釣具事業部の岸本利久さん(67)は「アユ釣りは最近ちょっと元気がなくなっているので、少しでも活性化させたいと思って協力させていただいた。うまく育ってよく釣れる環境になればと思うし、それが産卵してダム湖から戻って来る良い循環がつくれれば」と漁協の関係者に呼び掛けた。

■産卵守る禁漁区も

 中田組合長(68)によると、漁協では今年、ダム湖での「再生産」を目指し、アユの数を確保して産卵しやすい環境をつくりたいと、網を使えない友釣り専用区や禁漁区を初めて設けることを予定しているという。

 中田組合長は「十数年に一度はダム湖からアユが上っている年があるので、水温など条件が合えばダム湖での再生産は可能だと考えており、できれば毎年そうなるようにアユが産卵しやすい環境をつくりたい。川の水がきれいで味がいいのがここの魅力だ。今年は放流量も多いので、ぜひアユ釣りにお越しいただきたい」と話していた。

 漁場区域は古座川町佐田の七川ダムから上流の古座川水系で、アユ釣りの遊漁料は年券1万円、日券2千円。問い合わせは七川漁協(0735・77・0063)へ。