和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

移住先進地の中学生から活性案続々 那智勝浦町色川

入賞した色川中学校の生徒。左から矢守咲月さん、山口遼太君、長澤美和さん、新宅優喜君、仁木光太君(和歌山県那智勝浦町大野で)
入賞した色川中学校の生徒。左から矢守咲月さん、山口遼太君、長澤美和さん、新宅優喜君、仁木光太君(和歌山県那智勝浦町大野で)
 和歌山県紀南地方の自治体や企業、和歌山大学でつくる「きのくに活性化センター」(榎本長治会長)が19歳以下の若者から紀南活性化の提案を募った「青少年懸賞事業」で、那智勝浦町色川中学校の1、2年生全5人が入賞した。色川地区は移住、地域づくりの先進地。生徒からは、人口減少対策や地域の魅力を引き出す提案が出された。


 事業は地域を担う次世代の育成が目的で、2回目。論文と動画を募集した。論文8点の応募があり、優秀作品に奨学金を交付した。紀伊民報が後援している。

 論文部門の上位入賞は色川中が独占。最優秀賞は長澤美和さん(1年)の「紀南地域と私のこれからを考える」、優秀賞は新宅優喜君(2年)の「都会に負けない新しい戦略」が選ばれた。

 長澤さんは、地域課題は人口減少と少子高齢化と指摘。解決策として、IターンとUターンの増加、伝統や文化の継承を挙げ、それぞれの具体策を示した。論文作成のため、地域であった「お年寄りの方から文化を語り継ぐ会」に参加して、あらためて地域について考えたという。

 審査員からは「中学生でここまで考えているとはうれしい」「論点を整理して表現できている」と高い評価を受けた。

 長澤さんは「両親は移住者で、私はここで生まれ、育った。移住者と在来住民が一体化しているのが地域の魅力。私も地域を受け継ぎ、次につなぐ力になりたい。色川や那智勝浦町に関心を持ち、たびたび足を運んでもらえるようなイベントも企画したい」と話した。

 指導した平井美雪教諭は「書いて表現することを1年間の学習テーマにしてきた。論文はその集大成。もともと地域づくりに関心の高い子どもたちだが、書くことを通じ、地域を見つめ直すことができた」と話している。

 佳作には矢守咲月さん(2年)の「戻ってきたいと思える町づくり」、山口遼太君(1年)の「Iターン一家の僕の考え」、仁木光太君(1年)の「紀南地域の未来と活かし方」が選ばれた。