和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月25日(月)

古道や田辺の魅力動画で発信 追手門学院大生、「人」に注目し制作

オンラインで開いた成果報告会で披露されたPR動画
オンラインで開いた成果報告会で披露されたPR動画
 コロナ禍で外国人観光客の来訪が途絶える中、追手門学院大学(大阪府茨木市)の学生たちが、あらためて世界遺産の熊野古道や和歌山県田辺市の魅力を世界に発信しようとPR動画を作った。観光関係者らにインタビューして「人の魅力」に注目しながら、英語の字幕を付けるなどして4分ほどにまとめた。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。

 同大学は田辺市と連携協定を結んでおり、増加する外国人観光客に対するサービス向上策の支援と実践的教育プログラムを兼ねた取り組みを2018年から続けている。

 昨年は10月下旬と12月中旬に地域創造学部の学生や教員が同市本宮町や市街地を訪れ、観光関係者ら計11人に地域の魅力などについてインタビュー。取材を基にPR動画作りに取り組んでいた。

 このほど、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を使った成果報告会があり、学生たちが完成した動画などを田辺市職員に披露した。

 動画は「世界遺産だけじゃない!田辺の魅力『ひと』」というタイトル。

 若者らしく「最近、和歌山県田辺市ってとこ行ったんやけどさ、二人とも行ったことある?」「何が有名な場所なん?」「熊野古道っていう世界遺産があるところやで!」という通信アプリでやりとりする場面からスタート。

 熊野古道を歩く映像のほか、語り部や熊野本宮大社の神職、地域で店を営む人たちにインタビューした映像や写真などを盛り込みながら魅力を紹介し「皆さんも田辺市に来てみませんか?」と呼び掛けている。

 2月27日からユーチューブで公開しているほか、今後もインタビュー動画の続編を作っていく予定という。

■星空のPRなど提案

 成果報告会ではこのほか、学生たちが感じた課題や対策についても提案した。

 宇野あゆみさん(2年)は、宿泊した本宮町の川湯温泉で見上げた星空に感動したことを紹介。「こんなにたくさんの星を見たことがなかった。田辺市の星空について調べたが、あまり情報が見つからなかった。PRされていないのはもったいない」と話し、星空をメインのテーマとしたフォトコンテストの開催や観光協会などのホームページでの情報発信を呼び掛けた。

 また、別の学生からは、熊野古道を歩く際の弁当の容器を環境に優しい素材にすることや空き家活用の提案もあった。

 担当教員の岩田聖子常勤講師(63)は「これまでの調査で、熊野を訪れた外国人に何が良かったかと聞くと『人がすごく良かった』と言っていた。今回作った動画は、世界遺産の熊野古道だけでなく、そこに暮らす人たちの魅力が伝わるようにとの思いで学生たちが頑張った。ご覧いただけたらうれしい」と話している。