和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月16日(土)

被災の護岸いまだ復旧できず 富田川の4カ所

昨年11月に復旧工事が始まった市ノ瀬橋下流の護岸。3月末までに完了の予定(和歌山県上富田町市ノ瀬で)
昨年11月に復旧工事が始まった市ノ瀬橋下流の護岸。3月末までに完了の予定(和歌山県上富田町市ノ瀬で)
 和歌山県田辺市中辺路町や上富田町の富田川で、2018年と19年にあった台風によって損壊した護岸の復旧が長引いている。損壊した全15カ所のうち4カ所がまだ復旧していない。施工業者が決まらなかったのが主な要因。1カ所は着工もできておらず、工事完了は来年春の見通しという。

 富田川本流では、18年8、9月にあった3回の台風により護岸10カ所が損壊した。さらに19年8月の台風では5カ所の護岸が崩れた。

 復旧できていない4カ所のうち3カ所は昨年11月に着工した。中辺路町栗栖川の中辺路行政局近くの右岸は18年に延長373・4メートルにわたり損壊、上富田町岩崎の右岸も18年に延長32メートルにわたって損壊した。同町市ノ瀬の市ノ瀬橋下流の右岸では19年に延長35・5メートルにわたって崩れた。

 栗栖川と岩崎では着工したのは被災して2年以上たってからだった。工事は現在も続いており、3月中に済ませたいという。

 残りの1カ所は、市ノ瀬の別の場所で19年8月に187メートルにわたって崩れた箇所。施工業者は決まっているが、着工は被災から2年以上たった今年11月の予定。来年3月末に完了させたいという。

 河川の工事は、水量が増えることから作業ができなかったり、アユ漁のシーズンを避けたりするケースがある。それに加え18、19年は災害が多発したため、施工業者を決めるための入札に参加する業者がないケースが多かった。まだ復旧していない4カ所のうち3カ所は、3回目の入札で決まった。

 既に復旧している箇所でも、着工や復旧まで時間がかかった。

 田辺市鮎川の加茂橋近くの左岸は18年と19年に損壊したが、19年11月に着工し、すべて復旧したのは昨年12月末。白浜町十九渕の左岸も19年に崩れたが、昨年6月に着工し、昨年12月上旬に復旧した。