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ウミガメの卵ふ化は1割のみ 酷暑が要因、和歌山県みなべ・千里の浜

アカウミガメの卵のふ化状況を調べる日本ウミガメ協議会の松沢慶将会長(中央)ら=8月、和歌山県みなべ町山内で
アカウミガメの卵のふ化状況を調べる日本ウミガメ協議会の松沢慶将会長(中央)ら=8月、和歌山県みなべ町山内で
 和歌山県みなべ町山内にある千里の浜で産み落とされたアカウミガメの卵のふ化率が今季は10・7%で、昨季の3分の1近くにまで低下したことが、NPO「日本ウミガメ協議会」(松沢慶将会長)のまとめで分かった。協議会は酷暑が要因とみている。


 協議会によると、千里の浜で今季に確認されたアカウミガメの産卵は、6月上旬~8月上旬で21回。調査を始めた1981年度以降で最も少なかった。

 この21カ所の産卵場所を、協議会や町教委、日本宇宙少年団みなべ梅の里分団の子どもたち、ボランティアらが8月下旬~10月上旬に4回に分けて調査した。2カ所が波にさらわれたのか確認できなかったため、19カ所でのふ化状況をまとめた。

 結果、今季のふ化率は10・7%。1カ所当たりで最も高いふ化率は51・5%だった。6割以上の12カ所が全くふ化していなかった。

 産卵をウミガメの個体別にみると、産卵した個体は10匹。そのうち4匹が複数回(2~4回)産卵していた。3回と4回産卵した個体のふ化率はいずれも0%だった。

 ここ数年のふ化率は、21年度が最も高く29・7%あった。22年度は25・4%、23年度は29・1%でいずれも20%を超えており、今季の低さが際立っている。

 また、今季は未受精卵のほか、卵の中で途中まで成長したが死んでしまったものも、例年より多かった。

 協議会の松宮賢佑事務局長(38)は「ウミガメの卵は33度以上を長時間経験すると死んでしまう。今季は酷暑で砂中温度が高かったことが要因ではないか」と話している。

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