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備蓄品 売れ行き好調 和歌山県内、7月以降の経済情勢

夏以降、売り上げが好調だった防災用品(和歌山県田辺市下万呂のホームセンターで)
夏以降、売り上げが好調だった防災用品(和歌山県田辺市下万呂のホームセンターで)
 和歌山財務事務所は、7月以降の県内経済情勢(10月判断)について、5期連続で「持ち直している」と総括判断した。個人消費では、酷暑により暑さ対策商品、南海トラフ地震臨時情報などにより災害備蓄品の売れ行きが好調だった。


 「個人消費」「生産活動」「雇用情勢」の3項目に基づいて、3カ月に1度総括判断している。

 「個人消費」は「持ち直している」とした。百貨店やスーパーマーケットなどでは、値上げの影響で来店客数や買い上げ点数は減ったが、客単価は上昇。また、8月の南海トラフ地震臨時情報や台風接近により米や水、缶詰などの売れ行きが好調だった。ただ、暑さが続き、秋物衣料の売れ行きは悪かった。

 コンビニエンスストアでは節約志向の高まりや他業態との競合で売り上げが減少した一方、ドラッグストアでは、暑さ対策用品などが好調だった。県内で店舗が増加している影響も想定されるが、2021年5月以降、売り上げは前年同月を上回り続けている。

 家電大型専門店は猛暑によりエアコン、パリ五輪の影響によりテレビの売り上げが良かった。観光は、南海トラフ地震臨時情報やそれによる列車運休で客数が減った地域があるが、円安の影響で外国人観光客が増え堅調だった。

 「生産活動」の判断は前回の「持ち直しのテンポが緩やかになっている」から「足踏みの状況にある」に下げた。機械工業は中国の内需低調や欧州で設備投資需要が落ち込み、海外向け受注が低調。鉄鋼業は国内の自動車関連製品の需要が緩やかに戻りつつあるが、エネルギー関連製品は中国内需が減少。ただ、化学工業は酷暑の影響で洗濯回数が増えたことで、衣料用洗剤の需要が増えた。

 「雇用情勢」は、求人が求職を上回る状況が続いており「緩やかに持ち直している」とした。企業などへの聞き取りでは「従業員不足が続き、来年度新規採用の内定者も計画の半数程度」「定着率が低く、新採5年までに離職する人も多く従業員が不足」などの声が聞かれた。

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