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ムササビ居着く ヒマラヤスギの巣箱に、和歌山・上富田の興禅寺

日没後、森に向けて飛ぶムササビ(和歌山県上富田町市ノ瀬で)。顔を出した写真は岡本隆さん撮影
日没後、森に向けて飛ぶムササビ(和歌山県上富田町市ノ瀬で)。顔を出した写真は岡本隆さん撮影
 和歌山県上富田町市ノ瀬の興禅寺(だるま寺)の境内にある鳥用の巣箱に、ムササビが居着いている。夜行性で日没後、巣箱から出て滑空して近くの森に行き、朝明るくなる前に帰ってくる。

 安室玄達住職(51)によると、3年前、近くの山からフクロウの鳴き声が聞こえるため、フクロウが入らないかなと思って、建具店や庭師の協力で高さ20メートルほどのヒマラヤスギに巣箱を設置した。

 11日の昼前、写真撮影が趣味のみなべ町清川、岡本隆さん(68)が寺を訪れた際、岡本さんの妻、英子さん(66)が巣箱から顔を出す動物を発見。岡本さんがカメラの望遠レンズで撮影してムササビであることが分かった。

 それ以降、安室住職は観察を続け、毎日のように日没後、外に出て木の上から飛膜を広げて近くの森に飛んでいき、朝、明るくなる前に巣箱に戻ってくる姿を見守っている。

 安室住職は「同じ木でリスを見たことはあったが、ムササビは初めて。見守っていきたい」と話している。

 ムササビはリス科で体長30~50センチほど。県立自然博物館(海南市)によると、県内に広く分布しており、葉や木の実、新芽、果実などを食べる。

 普段から木の洞を巣として使うので、他の動物に乗っ取られない限りは、この巣箱を自分の巣として使うのではないかという。

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