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木材業界全体で問題共有を ウッドショックの研修会、和歌山

木材関係者が約130人が参加したウッドショックについての研修会(8日、和歌山県田辺市文里2丁目で)
木材関係者が約130人が参加したウッドショックについての研修会(8日、和歌山県田辺市文里2丁目で)
 和歌山県と和歌山森林管理署は8日、和歌山県田辺市文里2丁目のガーデンホテルハナヨで「ウッドショックから考えるこれからの林業」をテーマにした研修会を開いた。林業の専門家3人が講演し、木材業界全体で問題点を共有し、連携を深めて紀州材の需要を創出してほしいと呼び掛けた。

 今年3月ごろから欧州材の供給不足などから始まった「ウッドショック」の影響で、国産材の価格が高騰し、現在もその状況が続いている。県などはウッドショックを紀州材の安定供給を考える良い機会と捉え、今後の安定した需要、供給、価格の実現を目指して研修会を開いた。県内の木材関係者ら約130人が参加した。

 林野庁林政部木材産業課の齋藤健一課長は「建築用木材の安定供給体制の構築に向けて」をテーマにリモートで講演。森林資源が豊富な日本では、地球環境に優しい木材生産に対する期待が高まっていると説明。国産材の需要拡大は、ビルなどの中高層建築物への木材活用が鍵で、高性能な木質耐火部材の開発は進んでいるが、低コスト化が課題になっていると話した。

 伊万里木材市場(佐賀県伊万里市)の伊東貴樹専務は「原木安定供給への取り組み~伊万里木材市場の事例を通じて~」をテーマにリモートで講演した。

 ウッドショックでは、外材の代替品として国産材の価格が高騰したが、これを真の意味での国産材需要につなげていかねばならないと指摘。そのために林道整備、苗不足、作業員不足、製材・乾燥設備不足など、さまざまな問題を木材業界全体で共有することが大切と述べた。

 木村木材工業(埼玉県鴻巣市)の木村司社長は「ウッドショックで変わる川上~川下の関係」をテーマに講演。アメリカでは、コロナ禍の収束とともにウッドショックが緩やかに落ち着いていく見通しと分析。森林組合、製材工場、工務店など、普段から付き合いのある事業者との関係を大切にすることが、さまざまな問題を解決する鍵になると話した。

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