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「木の音色」楽しむ 木工館で地元材スピーカー実演

龍神村産の木材を使ったスピーカーと開発に携わった(左から)早出正さん、山本敏雄さん、田中聖三さん=和歌山県田辺市龍神村福井で
龍神村産の木材を使ったスピーカーと開発に携わった(左から)早出正さん、山本敏雄さん、田中聖三さん=和歌山県田辺市龍神村福井で
数種類の板の木の振動板も展示している
数種類の板の木の振動板も展示している
 和歌山県田辺市龍神村福井の木工館「ジー・ワークス」で26日まで、振動板などに龍神村産のスギやヒノキを使ったスピーカーを展示した「紀州ウッドスピーカープロジェクト技術発表会」が開かれている。会場には、このスピーカーから音楽が流れ、来場者が持参したレコードをかけてもらうなどして楽しんでいる。

 白浜町の元会社社長、早出正さん(74)と田辺市上野の建設会社社長、山本敏雄さん(75)が開発したスピーカー。振動板は一般的に紙製が多いが、早出さんは振動板に木を使ったスピーカーを作ろうとした。しかし、薄く削るのが難しかったため、知人で田辺市の田中聖三さん(73)から木材の扱いに実績のある山本さんを紹介してもらい、完成させた。1ミリの厚さに削り円柱状に曲げた板を使っている。

 会場には龍神村産のスギやヒノキの他、ヤクスギ、ニュージーランド産のカウリ、碁盤にも使うカヤなどを使った振動板(縦30センチ、横8センチ)を並べている。それぞれの板で音を出して聞き比べができるようにしており、板の種類によって音が柔らかくなったり鋭くなったりする。

 スピーカーの筐体(きょうたい=箱の部分)にも龍神村産ヒノキの無垢(むく)材を使っている他、ヒノキ材を使った格子状のスリットスクリーンを前面に取り付けたスピーカーも展示しており、目を引いている。流している音楽を聴きながらジー・ワークスの商品であるロッキングチェアにかけて、ゆったり聞き入る来場者もいるという。

 早出さんは「最初は音が出たらいいという考えだったが、この振動板だったら新しいスピーカーになるという思いになっている。ぜひ聴きに来てほしい」、山本さんは「龍神村産の木を使ったスピーカーがジー・ワークスで展示でき、まさに里帰りとなって発表できてうれしい。龍神材の良さも知ってほしい」と話している。

 洋楽のジャズボーカルと日本のポップスのレコードを持参し、かけてもらった龍神村の男性(45)は「低音、中音のバランスの取れた良い音がして、ずっと聴いていたかった。音の反響も良くてライブ会場みたいで、もっとレコードを持って来ればよかった」と話した。

 ジー・ワークス(0739・77・0785)の営業時間は午前10時~午後5時、水曜定休。

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