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振動板に地元産木材 道の駅にウッドスピーカー展示

発表会で展示するスピーカー
発表会で展示するスピーカー
発表会がある「ジー・ワークス」(和歌山県田辺市龍神村福井で)
発表会がある「ジー・ワークス」(和歌山県田辺市龍神村福井で)
 和歌山県田辺市龍神村福井、道の駅「水の郷日高川 龍游」にある木工館「ジー・ワークス」で4~26日、龍神村産のヒノキやスギを振動板に使ったスピーカーの発表会がある。関係者は「期間中の週末には、このスピーカーでレコードの演奏会を企画しているので、手持ちのレコードがあれば持って来て音質を聴いてほしい」と呼び掛けている。入場は無料。


 スピーカーの製作は白浜町の元会社社長、早出正さん(74)と田辺市上野の建設会社社長、山本敏雄さん(75)が約3年かけて取り組んできた。

 早出さんは、長野県出身で精密機器メーカー「諏訪精工舎」(現セイコーエプソン)に勤めていた。時計ビジネスに多忙を極めたが、50歳を前に退職。その後は香港で起業して経営を軌道に乗せた。退職後、白浜町に2009年に夫婦で移住した。

 もともとオーディオ機器に関心があり、自宅に4千枚あるというレコードを趣味で鑑賞していた。ある時、山でスギやヒノキが伐採されたままになっているのを見て、スピーカーの振動板に利用できないかと思い付いた。

 一般的なスピーカーの振動板は主に紙製。木を使う場合は薄く削る必要があるが技術的に困難で、紀州材にこだわりを持ち木材の扱いに実績のある山本さんを知人を通じて紹介してもらった。二人で製作に取り組んだ結果、均一な厚さで薄くて強度のある振動板を作ることができ、アイデアが一気に花開いた。まだ商品化するまでには至っていないが、これまでの成果を「紀州ウッドスピーカープロジェクト技術発表会」と題して、ジー・ワークスで発表することにした。

 展示するのは、木の振動板を使った中音帯域スピーカー(特許取得)▽龍神村産ヒノキの無垢(むく)材を使ったスピーカーの筐体(きょうたい=箱の部分)▽和の雰囲気を出したスピーカー保護システム(意匠登録)―の3種類。

 スギの振動板を使ったスピーカーは、力強い音が出て管楽器やジャズなど、ヒノキを使った物は綿密な音が出てボーカルや管弦楽などに適しているという。

 ウッドスピーカーの他に、ヒノキを使うことで音を楽器に近づけた筐体や、厚さ2ミリのヒノキ板を使ってスピーカーが透けて見えるように筐体の前面に取り付けた「スリットスクリーン」も見ものだという。

 期間中の土日曜は早出さんが会場に常駐するので、来場者が持参したレコードをかけてもらえる。

 早出さんは「ジー・ワークスの協力を得て開くことができる。まだ実際に販売するまでには至っていないが、ウッドスピーカーの良さを多くの皆さんに分かってもらいたい。興味がある人が出てくればうれしい」と話している。

 発表会やウッドスピーカーに関する問い合わせは、早出さん(080・3442・4285)か山本さん(090・8984・8766)へ。

 ジー・ワークス(0739・77・0785)の営業時間は午前10時~午後5時、水曜定休。

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