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トルコ軍艦遭難131年 和歌山県串本で犠牲者追悼

慰霊碑前で営まれた追悼式で式辞を述べる田嶋勝正町長(16日、和歌山県串本町樫野で)
慰霊碑前で営まれた追悼式で式辞を述べる田嶋勝正町長(16日、和歌山県串本町樫野で)
 和歌山県串本町樫野沖でトルコ軍艦エルトゥールル号が遭難してから131年を迎えた16日、町は同町樫野にある慰霊碑前で追悼式を営んだ。昨年に続いて今年もコロナ禍のために規模を縮小したが、田嶋勝正町長は式辞で「両国の友好の原点となった歴史を風化させない」と述べ、犠牲者の冥福を祈るとともに日ト友好の絆をより強めることを誓った。


 エ号は、オスマン・トルコ帝国の皇帝が1889年7月、オスマン・パシャを特使とする親善使節団として日本に派遣。90年6月に横浜港に到着して明治天皇に謁見(えっけん)するなどし、帰国のために同年9月15日に横浜港を出港したが、翌16日に紀伊大島沖で台風に遭遇して「船甲羅(ふなごうら)」という岩礁に激突。オスマン・パシャら587人が犠牲になったが、島民の懸命な救助活動で69人が助かった。このことが、日本とトルコの国際交流の礎となっている。

 この日は田嶋町長と鈴木幸夫町議会議長、高山カヤ子・樫野区長、稲田賢・大島区長、福島三男・須江区長の5人が参列し、黙とう後、駐日トルコ共和国大使館のコルクット・ギュンゲン特命全権大使から寄せられた花もささげられた慰霊碑に順番に献花。田嶋町長が「この地で殉難将士の御霊をお守りし、大島島民の献身が示した助け合う心の大切さを語り継ぎ、かけがえのない絆を育んでいくことが、われわれの使命。今後も日ト友好の懸け橋の町として、次の世代を担う子どもたちに人を思いやる心で結ばれた両国の歴史や文化を学ぶ機会を設け、両国の絆がより深いものとなるよう尽力することをお誓い申し上げます」と式辞を述べた。

 エ号遭難事件に関する遺跡や樫野埼灯台は今年3月に国の史跡に指定されており、高山区長は「より多くの方に知っていただけるのでよかった。2年続けて多くの方に参加してもらうことができなかったのは残念だが、長年追悼し続けていることが両国の絆になっており、今日はより一層絆が強まったと思う」と話していた。

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