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2024年12月16日(月)

コロナ退院後すぐ社会復帰 和歌山県、2週間の自宅待機変更へ

和歌山県庁
和歌山県庁
 和歌山県は11日、これまで新型コロナウイルス感染者に求めていた退院後2週間の自宅待機を、今後は求めないと発表した。16日以降に退院する人から適用する。県の分析で、発症から10日を過ぎれば、他者に感染させる心配がないことが分かったため。これにより、退院後はすぐに社会復帰が可能となる。


 国は退院後の自宅待機を求めない方針を示していたが、県はこれまでは裏付けるデータがないとして、適用していなかった。今後、自宅待機は求めないが、後遺症などの心配もあるため、保健所は2週間の健康観察をこれまで通り続ける。感染者の状況によっては個別に対応する。

 県は11月5日発表分までを分析し、他者に感染させたケース37件(1人が複数人に感染させても、同じ日なら1件と数える)について、どのタイミングで感染させたかを推定した。その結果、発症当日が8件、1日前が7件、2日前と1日後が6件ずつで、発症当日前後に集中した。最も遅いのは10日後で、1件だった。

 県は従来、感染者は全員入院としているほか、国の基準に基づき、PCR検査で陰性と確定しない場合、有症状者は発症後、無症状者は検体採取日から10日間は入院としている。

 県福祉保健部の野尻孝子技監は11日の記者会見で「退院後の他者への感染はまずないと考える。こういったデータを分析した上の運用なので、すぐに復帰した人に対し、不当な差別などはしないようにしてほしい」と呼び掛けた。一定量のウイルスの排出が続く感染者はそれに応じて入院期間が延びるため、問題はないという。

 一方、今回の分析では、最も早い場合は発症3日前(3件)に他者に感染させていると推定された。現状は感染者の発症2日前から濃厚接触者を特定しているが、今後は3日前の接触でも、状況によっては濃厚接触者として考慮したいという。

■濃厚接触者には継続 2週間の自宅待機

 一方、濃厚接触者については、感染者と接触してから、2週間の自宅待機を求め、健康観察をしているが、この態勢は継続する。感染者と接触後、何日後に発症するかを推定したところ、最長で15日後もあったためという。最も多いのは4日後で、平均は6・2日後だった。