和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

紀伊半島一周、大阪万博までに 近畿道建設促進大会で決議

紀伊半島一周高速道路の大阪・関西万博までの完成に向け、事業推進を求める決議をした促進協議会(8日、和歌山県田辺市で)
紀伊半島一周高速道路の大阪・関西万博までの完成に向け、事業推進を求める決議をした促進協議会(8日、和歌山県田辺市で)
 和歌山、三重両県や両県の31市町村でつくる「近畿自動車道紀勢線建設促進協議会」(会長=仁坂吉伸・和歌山県知事)の促進大会が8日、和歌山県田辺市文里2丁目のガーデンホテルハナヨであった。約120人が参加し、2019年度に全線事業着手された紀伊半島一周高速道路(近畿自動車道紀勢線)について、25年に開催予定の大阪・関西万博までの完成に向けて事業推進を求めることを決議した。

 協議会は1998年に設立。例年は東京都内で促進大会を開いているが、今年はコロナ禍の関係で県内で開催。田辺市では初めてという。

 この日は、仁坂知事が「一日千秋の思いで待ちわびている方々が希望を持つことができるよう、ぜひ建設を促進していただきたい。私は万博までに全部やってもらえないかと口にも出しているが、どうぞ気持ちをくんでよろしくお願いしたい」とあいさつ。来賓の二階俊博・自民党幹事長も「困難を乗り越えて大体の見通しをつけることができた。皆さんが便利になるだけでなく、全国から風光明媚(めいび)な紀伊半島に人々を呼び寄せるため、お互いの使命を果たすために頑張りたい」と呼び掛けた。

 大会では、公明党の浮島とも子・衆議院議員ら来賓が祝辞を述べたほか、近畿自動車道紀勢線の整備や4車線化の進捗(しんちょく)状況について担当者が報告した。

 近畿自動車道紀勢線(大阪府松原市―三重県多気町、延長335キロ)は現在、県内では、すさみ町の「すさみ南IC(インターチェンジ)」までと那智勝浦町―新宮市間の「那智勝浦新宮道路」が開通している。

 残り区間では「すさみ串本道路」が工事中で、10月14日には「里野トンネル(延長203メートル)」が貫通した。それに続く「串本太地道路」は測量・設計、用地買収中。新宮市内の「新宮道路」も測量・設計中で、熊野川をまたいで新宮市と三重県紀宝町をつなぐ「新宮紀宝道路」は工事が進んでいる。

■4車線化 21年内完成へ 有田IC―印南IC

 一方、4車線化については2021年内に「湯浅御坊道路(有田IC―御坊IC)」に加え「阪和自動車道(御坊IC―南紀田辺IC)」のうち御坊IC―印南ICが完成する予定。印南IC―みなべICについては今年3月に4車線化事業が許可され、現在、測量・調査準備中という。

 さらに、両県の観光関係者が早期完成を求める意見を発表したほか、最後に「『紀伊半島一周高速道路』や『(和歌山県の)有田―南紀田辺間、(三重県の)勢和多気―紀勢大内山間の4車線化』の大阪・関西万博までの完成」などを求める大会決議案を、出席者が拍手によって賛同。決議した内容については後日、両県知事が国などに対して要望するという。