和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

串本太地道路の早期完成目指す 那智勝浦町で用地幅杭設置式

145人が出席した串本太地道路用地幅杭設置式(和歌山県那智勝浦町天満で)
145人が出席した串本太地道路用地幅杭設置式(和歌山県那智勝浦町天満で)
 和歌山県の那智勝浦町と串本町を結ぶ「串本太地道路」(延長18・4キロ)の用地幅杭設置式が5日、那智勝浦町天満の町体育文化会館であった。関係市町の首長や議員ら145人が出席し、一致団結して一日も早く道路を完成させる決意を新たにした。

 国土交通省などが2月に設置式を開く予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期していた。この日の式典は、会場に空気清浄機を設置した他、マスクの着用を徹底し、3密(密閉、密集、密接)を避けて開催した。

 2018年4月に国の直轄で事業化された串本太地道路は、那智勝浦町八尺鏡野と串本町くじの川を結ぶ自動車専用道路。地質調査や設計などを進め、ルートと橋、トンネルなどの構造が決定したことから、用地幅杭の設置や用地買収に着手している。総事業費は約900億円。紀伊半島一周を目指している高速道路の一部で、災害時の交通確保、救急医療活動の支援、広域周遊観光の支援などの整備効果が期待されている。

 式典では、主催者を代表して門博文・国土交通大臣政務官が「高速道路紀伊半島一周の夢の実現がいよいよ近づいてきた」、仁坂吉伸知事が「できるだけ早く工事が進み、また皆さんと竣工(しゅんこう)を祝うことを夢見ている」とあいさつした。

 来賓の足立敏之参院議員は祝辞で「紀伊半島一周を達成するために力を結集して整備を推進していくことを誓う」、岸本健県議会議長は「串本太地道路の整備は紀南地域の住民だけではなく、県民全体の悲願」と一層の協力を求めた。

 高速道路の紀伊半島一周に長年尽力している二階俊博自民党幹事長も式典に出席し、祝辞を述べた。

 二階幹事長は「待望久しかったこの串本太地道路。今日、このような立派な式典を催すことができたことが大変うれしい。夢のごとく語られていた道路が、現実のものとなってきた。これを一日も早く完成させなければならない。子や孫の時代に『先人たちがしっかりやってくれた。こんなに便利になった』と言われるようにしようじゃありませんか」と呼び掛けた。