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2024年12月20日(金)

和工に勝利、熊野が花園へ 高校ラグビー和歌山県大会

熊野―和歌山工業 花園出場を決め、喜びを爆発させる熊野のメンバー(8日、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で)
熊野―和歌山工業 花園出場を決め、喜びを爆発させる熊野のメンバー(8日、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で)
 第100回全国高校ラグビー和歌山県大会の決勝が8日、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場であり、熊野が和歌山工業を27―0で破って優勝した。7年ぶり13回目。熊野は12月27日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する全国大会に出場する。

 熊野は試合開始直後からFWを中心とした連続攻撃でゴールに迫ると、前半6分、ゴール前左中間ラックからSH矢野(3年)が持ち出して先制のトライ。SO佐久間(3年)がゴールキックを決めた。14分には相手の反則から得たペナルティーキックを佐久間が成功。28分にはCTB西尾(3年)が左中間にトライを決め、前半を15―0で折り返した。

 熊野は後半10分、CTB中村(3年)が右中間にトライ。28分には佐久間が中央へトライし、試合を決めた。出足の速い守りで和歌山工業の攻撃を封じ、無失点に抑えた。

 熊野の佐久間主将は「理想的な試合の入り方ができ、最初のトライで楽になった。全国でも今日のような試合をして勝ちたい」と喜びを語った。

 瀬越正敬監督(45)は「選手たちはコロナで一番苦しい時期、何もできない時期でもひたむきに頑張ってきた。今日の日を迎えることができてうれしい」と感無量だった。

■守備力で完封 解説

 熊野は初戦の準々決勝以降、3試合とも無失点の強さを見せた。

 瀬越監督は「驚くほどディフェンスに集中力があった」と評価する。人数をかけて守り、一つのプレーで終わらないようにFWとBKが一体になった守備を心掛けたという。

 決勝の後、県大会のベスト15が発表され、熊野からFW4人、BK4人が選ばれた。このうちBKの矢野、佐久間、西尾、蒲田の4人はいずれも田辺市衣笠中学校出身。5歳の時からラグビーをしている矢野が、中学でサッカー部だった佐久間、野球部だった西尾と蒲田をラグビー部に誘った。矢野は「休校期間中も4人で連絡を取り合って切磋琢磨(せっさたくま)してきた。みんな頼れる存在。ラグビー部に誘って良かった」と、仲間をたたえた。

 コロナ禍で春季県大会がなくなり、3カ月ほど部活動ができなかった。休校が明けてもしばらくは接触プレーが制限されるなど実戦の経験は例年より少なかったが、一人一人が気持ちを切らさず、努力を続けた結果が実を結んだ。