和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

アカウミガメの生態学ぶ 上南部小3年生が地域学習

児童にウミガメの生態などについて話す尾田賢治さん(和歌山県みなべ町谷口で)
児童にウミガメの生態などについて話す尾田賢治さん(和歌山県みなべ町谷口で)
 和歌山県みなべ町谷口、上南部小学校の3年生37人はこのほど、地域学習で外部講師を招き、町内の千里の浜などに産卵するアカウミガメの生態について学び、保護活動や環境問題についても理解を深めた。

 住んでいる地域のことを知ろうと、これまでに地場産業の梅について学習してきたが、初めてアカウミガメについて学ぶことにした。

 外部講師は、アカウミガメの産卵調査に協力している、みなべウミガメ研究班会長の尾田賢治さんと、町教育委員会職員でウミガメ担当の前田一樹さん。

 2人は、海にすむカメは7種類いること、このうちアカウミガメが、みなべ町の千里の浜などに産卵のため上陸することなどを教えた。

 アカウミガメの調査の様子や、産卵する様子を撮影したDVDも上映。産卵場所の浜に打ち上げられた流木や発泡スチロールなどのごみを清掃する取り組みや、企業による保護活動があることも紹介した。

 尾田さんらが、産卵の妨げとならないように浜の近くの駐車場で車のライトを遮るネットを取り付ける活動をしていることも伝えた。カメの背中に専用の装置を取り付け、産卵後の経路が分かるように調べたところ、韓国沖まで移動していたことが分かったと説明した。

 尾田さんは、アカウミガメを含めて絶滅の恐れのある野生動物をスライドで投映して「これらの動物を守るために、私たちは何をすればいいのが考えてほしい」と呼び掛けた。

 児童から「カメはどのくらい遠くまで行くのですか」との質問に、前田さんらは「赤ちゃんガメはメキシコ沖まで行って大きくなって帰ってくることが分かっている」と答えた。