和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月16日(月)

感染防止対策店に5万円 和歌山県田辺市が奨励金

新型コロナウイルス感染防止対策と経済活性化の両立について会見する真砂充敏田辺市長(24日、和歌山県田辺市役所で)
新型コロナウイルス感染防止対策と経済活性化の両立について会見する真砂充敏田辺市長(24日、和歌山県田辺市役所で)
 和歌山県田辺市は24日、県のガイドラインに沿って新型コロナウイルス感染症対策に取り組んだ上で、対策内容を店頭に掲示している飲食店、カラオケ店、宿泊施設に対し、感染拡大防止の奨励金として1店舗につき5万円を支給すると発表した。安全対策を「見える化」することで、客に安心して店に足を運んでもらえる環境づくりを目指す。

 記者会見した真砂充敏市長は「ガイドラインを再度徹底して、安全対策をすることが、経済活性化につながる。まちとして安全宣言が出せるよう取り組みを広げてもらいたい。コロナ対策は9月議会でも打ち出していく」と話した。

 田辺保健所管内では8月に入って、新型コロナの感染者が急増している。市街地の飲食店ではクラスター(感染者集団)も発生した。市は20日にカラオケ店や夜遅くの飲食店、市民限定の旅行キャンペーンの利用自粛を呼び掛けた。

 しかし、利用自粛だけでは感染は抑えられても経済の落ち込みは避けられない。奨励金制度は、安全対策を強化しつつ、経済活動との両立を図るのが狙い。

 支給対象は、ガイドラインに沿って消毒設備やアクリル板設置などの対策をしている店舗で、原則9月18日までに対策内容を店舗の入り口などに掲示することが条件。ガイドラインは21項目あり、うち10項目以上を実施することを求めている。

 対象店は市内に千店ある。予算は5202万5千円で、この日、専決処分した。

 申請には、申請書と対策の実施と安全性のPRをする誓約書、店舗・施設の位置図と営業許可書の写しのほか、対策の完了報告書などが必要。市が実施状況を確認して奨励金を支給する。

 申請は10月30日まで。問い合わせは市商工振興課(0739・26・9970)へ。

 市は感染防止対策支援の補助金制度も設けており、活用を呼び掛けている。コロナ対策で業態を変化させたり、新たなサービスを始めたりする小規模事業者に最大10万円を支給している。5月7日の申請受け付けから3カ月間で201件の申請があった。

 問い合わせは市たなべ営業室(0739・33・7714)へ。