和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

「焼却場の集約」実現へ 上富田町の可燃ごみを田辺市で処理

田辺市処理場(和歌山県田辺市元町で)
田辺市処理場(和歌山県田辺市元町で)
和歌山県上富田町から出るごみを来年度から田辺市処理場で焼却する方針が説明された田辺周辺広域市町村圏組合の議会(6日、和歌山県田辺市朝日ケ丘で)
和歌山県上富田町から出るごみを来年度から田辺市処理場で焼却する方針が説明された田辺周辺広域市町村圏組合の議会(6日、和歌山県田辺市朝日ケ丘で)
 和歌山県上富田町の可燃ごみを、2021年度から田辺市元町の市処理場で焼却処分することになった。両市町を含む周辺の1市4町(みなべ町と田辺・西牟婁)で構成する田辺周辺広域市町村圏組合が6日、明らかにした。17年8月に打ち出していた「21年度をめどに焼却施設を集約化する」という方針が実現する。

■みなべ町と田辺・西牟婁 

 5市町の首長でつくる組合理事会が6日、田辺市朝日ケ丘の県西牟婁振興局であり、今回の方針を確認。事務局が組合議会定例会で議員に報告した。組合管理者の真砂充敏田辺市長は、取材に「一定の方向性が決まり、前進できたことはよかった。ごみ処理の問題は今後も広域で取り組んでいきたい」と話した。

 上富田町のごみは現在、上大中クリーンセンター(上富田町市ノ瀬)で処理しているが、地元との協定で使用期限が21年3月になっている。

 組合の協議では当初、上富田のごみは21年4月から白浜町清掃センター(白浜町保呂)で処理する方針だったが、費用がかさむことなどを理由に、上富田町は19年5月、この方針を撤回。以降、改めて組合で協議を続けていた。

 上富田町によると、民間委託を検討した時期もあった。民間へ委託している県外の自治体や事業所への視察もしたが、改めて費用面などの課題が生じると判断した。

 上大中クリーンセンターには、田辺市の大塔地域、中辺路町のごみも搬入しているが、21年度から市処理場で処理することになっていた。

 上富田町の奥田誠町長は、取材に「上富田のごみを田辺市の施設で受け入れてくれることになり、協議を整えてくれた組合や市には心から感謝したい。また、白浜町や地元(保呂区)の方々にご迷惑をおかけしたことは改めておわびしたい」と話した。

 来年度に備え、上富田町は準備を始める。町民のごみの分別方法自体は今までと変わらない。クリーンセンターでの処分は3月末で終了し、以降にセンターは取り壊す方針。田辺市と上富田町が費用を負担するという。

 市処理場では現在、みなべ町と田辺市の旧田辺市、本宮町、龍神村のごみを処理している。1日に150トンを処理できる能力があり、計算上はクリーンセンターでの処理分を合わせても余力がある。昨年度の2カ所の焼却量は、計2万6513トンだった。

 組合が17年8月に打ち出した集約案は、5市町に当時あった計5施設を、市処理場▽白浜町清掃センター▽すさみ町ごみ焼却場―の3施設にするという内容だった。

 組合では、具体的な時期は示していないが「将来的な施設の一本化」という方針も掲げている。