和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月31日(火)

紀南で大雨 交通に乱れ 気象台「土砂災害に注意を」

崩土の恐れがあるため、奇絶峡下手で通行止めとなった県道田辺龍神線(4日午前8時45分ごろ、和歌山県田辺市上秋津で)
崩土の恐れがあるため、奇絶峡下手で通行止めとなった県道田辺龍神線(4日午前8時45分ごろ、和歌山県田辺市上秋津で)
県道をふさいだ土砂崩れの現場(4日午前9時50分ごろ、和歌山県みなべ町熊瀬川で)
県道をふさいだ土砂崩れの現場(4日午前9時50分ごろ、和歌山県みなべ町熊瀬川で)
 西日本に停滞している梅雨前線が活発化した影響で4日、和歌山県の紀南各地で激しい雨が降り、土砂崩れが相次いだ。道路の通行止めや鉄道の運転見合わせなど、交通にも乱れが出た。前線に暖かく湿った空気が流れ込み大気が不安定な状態が続くため、和歌山地方気象台は土砂災害への注意を呼び掛けている。


 田辺市上秋津の県道田辺龍神線は午前4時から、崩土の恐れがあるとして全面通行止めになった。県西牟婁振興局によると、昨年7月に大規模な崩落があった奇絶峡近くの斜面で地盤のずれが検知されたため。その後も地盤は徐々にずれているといい、復旧の時期は未定。安全を確認できてから規制を解除するという。昨年の崩落時は約8カ月にわたって通行止めが続いた。迂回(うかい)路は国道371号、県道龍神中辺路線。

 同市龍神村では、国道371号(高野龍神スカイライン)が崩土のため、全面通行止め。同市中辺路町大川では崩土と倒木で、国道311号が片側交互通行となった。

 また、みなべ町熊瀬川の県道滝切目停車場線では約30メートルの範囲で道路沿いの斜面が崩れたため、午前5時から全面通行止めとなった。県道田辺印南線、国道425号が迂回路になる。白浜町宇津木でも崩土で、県道日置川大塔線が全面通行止め(緊急車両通行可)になった。

 大雨により列車の運行にも影響が出た。JR西日本和歌山支社によると、午前9時15分ごろ、白浜町椿駅の雨量計が規制値に達したため、正午現在、白浜駅―周参見駅間で運転を見合わせている。

■ 日置川(白浜)で時間47ミリ

 紀南地方では3日から4日にかけて、まとまった雨が降った。日置川(白浜町)では、4日午前9時32分までの1時間に47ミリという激しい雨を観測した。

 和歌山地方気象台によると、3日の降り始めから4日午前11時までの紀南地方の積算雨量は、護摩壇山(田辺市)が218・5ミリで最も多い。次いで西川(古座川町)196・5ミリ▽龍神(田辺市)195ミリ▽本宮(同)183・5ミリ▽栗栖川(同)176ミリ▽日置川164ミリ▽色川(那智勝浦町)161・5ミリ▽新宮125ミリ―だった。

 時間雨量では、日置川に次いで、栗栖川39ミリ▽龍神35ミリ▽護摩壇山32・5ミリ▽本宮31ミリ―が多かった。

 気象台によると、向こう1週間は前線や湿った空気の影響で、雲が広がりやすく雨の降る日が多いという。