和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月21日(土)

観光筏下りが試験運航 7月1日開始へ、北山村

7月1日の運航開始に向けて試験下りをする筏師ら(20日、和歌山県北山村で)
7月1日の運航開始に向けて試験下りをする筏師ら(20日、和歌山県北山村で)
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため運航を中止していた和歌山県北山村の「北山川観光筏(いかだ)下り」が、7月1日から運航を始める。運航開始に先立ち、村は20日、関係者で運航の安全を祈願し、筏師が川の状況などを確かめる「試験下り」をした。

 急流を筏に乗って下る観光筏下りは、木材を輸送する手段だった筏流しを観光に活用しようと、北山村が1979年から始めた事業。乗船場のあるオトノリから小松までの約6キロを約70分かけて下る。「北山川の筏流し技術」として県の無形民俗文化財にも指定されている。

 例年5月3日から9月末まで運航するが、今年は新型コロナの影響で5、6月の運航を中止。通常20人の乗船人数を半分にしたり、使用のつどライフジャケットを消毒したりといった感染予防対策を取ることで、7月から運航を始めることにした。

 この日は安全祈願の神事をした後、筏師が乗り込み、川の状況や技術などを確かめながら川を下った。

 村から運航を委託されている会社「北山振興」(北山村)で運航責任者を務める山本正幸さん(53)は「今年は無理かもしれないと思っていたのでうれしい。たくさんのお客さんに来ていただきたい」。山口賢二村長も「いろいろ議論はあったが、筏下りは村の目玉事業。感染予防対策をしっかりとした上で運航したい」と話していた。

 観光筏下りに乗船できるのは10~75歳で、予約制。料金は中学生以上6600円(税込み)、小学生3300円(同)。

 問い合わせは、北山村観光センター(0735・49・2324)へ。