和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

岩場に黄色くイワタイゲキ 紀南の沿岸

海岸に群生するイワタイゲキ(和歌山県すさみ町江住で)
海岸に群生するイワタイゲキ(和歌山県すさみ町江住で)
 和歌山県紀南地方の沿岸で、トウダイグサの仲間イワタイゲキ(岩大戟)が黄色い花を咲かせている。

 すさみ町江住にある国の天然記念物「江須崎」では、大小の岩がごろごろとして潮が掛かる岩場に群生する。高さ50センチほどになる。

 直立した茎の先端が黄色く色づき、遠目には菜の花のように見える。花びらに見える部分は苞葉(ほうよう)と呼ばれる器官で、葉が特殊化して花を保護したり目立たせたりする役割がある。

 イワタイゲキは本州の千葉県以西と四国、九州などに分布する。分布域や生育場所から黒潮による海流散布が考えられるという。和名はトウダイグサ科の生薬「大戟」に由来する。茎から出る乳液は有毒で、触れるとかぶれることがある。