和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

合格発表の掲示取りやめ検討 新型コロナ、高校入試にも影響

休校中の対応について和歌山県教育委員会から説明があった臨時の県立学校長会(2日、和歌山市で)
休校中の対応について和歌山県教育委員会から説明があった臨時の県立学校長会(2日、和歌山市で)
 和歌山県教育委員会は2日、和歌山市の県自治会館で県立学校長会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて臨時休校措置を取った県立校の春休み前までの対応について説明した。高校入試は感染防止を徹底した上で予定通り実施するが、合格発表は各校での掲示を取りやめ、中学校関係者向けにインターネット上で発表することも検討しているとした。

 文部科学省が2月28日に全国一斉に小中高、特別支援学校を春休み前まで臨時休校するよう要請したのを受け、県教委は同日、要請を受け入れ、3月2~24日の県立校の休校を決めた。終業式も取りやめとなる。

 会議では、県教委の担当課長が「子どもたちの健康安全を第一に、子どもや教職員が日常的に長時間、集まることによる感染リスクに備えたい」とし、休校期間中の取り扱いについて説明した。

 高校入試(学力検査10日、面接や実技検査11日)は予定通り実施する。会場にはアルコール消毒液を設置し、こまめに換気するほか、受験生への手洗いやせきエチケットなどを促す。受験生が座る席を可能な限り離すなどの感染防止策を取るよう依頼した。

 18日に予定している合格発表については、毎年発表日の午前10時に、各受験校で合格者の受験番号を張り出しているが、受験生が密集することによる感染リスクも考えられるとして、取りやめも含めて検討していると説明した。これまで県教委が中学校関係者用に、補助的に実施していたネットでの発表を、代わりに正式な発表にすることも考えているとした。

 合格者説明会は可能な限り、日程を後にずらすことや、制服採寸や教科書販売などについては、多くの生徒が長時間集まることがない仕組みを検討してほしいとした。

 休校による授業の遅れについては、教材を準備するなどして、家庭学習を適切に進めるようにしてほしいとした。さらに各学年の課程修了や卒業認定について「生徒のこれまでの取り組みやテスト結果などを総合的に評価し、進級などに不利益が生じないようにしてほしい」と求めた。例えば、必要に応じて、個別指導や確認テストの実施なども考えられるとした。

 クラブ活動も自粛することになるが、校長から「今後全国大会などを狙う生徒らは、1カ月練習できないと、かなり不安になる。顧問が個別指導するのは可能か」と質問があり、担当課長は「家庭での自主練習は可能。学校の部活動として取り組むのは不可として考えてほしい」と答えた。

 出席した校長からはこのほか、答案の返却方法や3月分の授業料の取り扱い、個別指導の具体的な方法や対象の生徒などについての質問も上がった。