和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月31日(火)

卒業式の有無など対応に差 新型肺炎で休校の小中学校

和歌山県田辺市の校長会で臨時休校中の方針を話す佐武正章教育長(右奥)=28日、和歌山県田辺市高雄1丁目で
和歌山県田辺市の校長会で臨時休校中の方針を話す佐武正章教育長(右奥)=28日、和歌山県田辺市高雄1丁目で
 新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に、安倍晋三首相が全国の小中高校と特別支援学校に3月2日から春休みまでの臨時休校を要請したのを受け、和歌山県田辺・西牟婁の4市町教委は28日、小中学校の対応方針を確認した。田辺市は2日を登校日にし、白浜町は中学校の卒業式を中止にするなど、対応は一部異なる。

 田辺市は2日に児童、生徒が定刻登校し、休校中の過ごし方などを指導後、下校する。市教委は「準備期間が必要だと考えた。教員には土、日曜の間に臨時休校中の課題などを用意してもらいたい」と話す。

 白浜町は6日の中学校の卒業式を中止し、高校入試の受験票を渡す際に卒業証書を渡す予定。他の3市町は規模や時間を縮小して実施する。

 卒業式が中止となった白浜町のある中学校では28日午後、プチ卒業式をした。30代男性教諭は「送辞、答辞、送別の歌くらいだったが、泣いている3年生もいた。急ごしらえだったが、良い雰囲気だった」と話した。

 学童保育所の開所時間も自治体により異なる。上富田町とすさみ町は長期休暇中と同じく午前中も対応する。田辺市と白浜町は通常通り午後からの受け入れとなる。

 自宅で1人で過ごすことができない児童の居場所確保については、学校に相談するよう呼び掛けている。ただ各学校では「どれだけの児童が学校に来るか分からない。多くなったら、休校の意味がない」と心配の声も出ている。

 28日にあった田辺市の校長会では、小中学校の校長から「休校期間が短縮されることはあるのか」「春休みに補習はできるのか」といった質問が出たが、市教委は「先のことは分からない。状況を見ながら、検討したい」と答えるにとどまった。

■みなべは2日午後から

 みなべ町は3月2日午後から24日まで休校とする。町教委によると、中学校の卒業式は6日の予定で、卒業生、保護者のほか、在校生は送辞を読む生徒だけ、来賓は町と教育委員会、PTA関係者のみ出席し、短時間でするという。小学校の卒業式は23日の予定だが、開くかどうか現時点で未定。

 幼稚園、保育所は通常通りだが、自宅で保育できる人にはそうしてもらえるよう協力を呼び掛けてもいる。学童保育所もする。今後の状況を見ながら、対応を変更することもあるという。

■新宮市も

 新宮市も2日は登校し、給食後に児童生徒を下校させる予定。休みは24日まで。市教委学校教育課は「あまりにも急な対応なので、子どもたちが落ち着いた状態で休みに入るための時間が必要」などと判断したという。

 今のところ、卒業式は規模を縮小したり時間を短縮したりして、予定の日程(中学校3月6日、小学校3月19日)で開催する計画。臨時休校から春休み(3月25日~4月7日)へと続くことになるが、同課は「状況を見ながらだが、春休み中に登校日を設ける可能性もある」としている。