和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月17日(火)

畑作りから収穫まで 〝農業小学生〟が話題に

畑の世話をする庄司太一君(和歌山県田辺市中辺路町真砂で)
畑の世話をする庄司太一君(和歌山県田辺市中辺路町真砂で)
 キュウリ、レタス、タマネギ―。和歌山県田辺市中辺路町真砂で、小学生が一人で家庭菜園の世話を続けており、〝農業小学生〟として地元で話題になっている。中辺路小学校5年の庄司太一君(11)は「いろいろな野菜が収穫できて楽しい。家族も喜んでくれる」と話す。

 昨年7月ごろ、死んだクワガタムシを埋めるため、家の裏にある畑(約20平方メートル)に土を取りにいった。その時掘った穴が気になり、そこを直しているうちに畑をつくろうと思うようになったという。

 畑はしばらく使っていなかったため、近所の人に教えてもらいながら、くわとスコップで耕し、うねをつくったり、肥料を与えたりした。学校から帰ると水やりや除草などの世話も欠かさずやっている。「夏場は暑くて大変だった」と振り返る。

 最初はキュウリとトマトを植え、それぞれ20個ほどを収穫した。その後はミズナやネギ、ハクサイ、タマネギ、コマツナ、レタス、サニーレタスなどを育てている。

 畑の近くに住む庄司喜代和さん(84)は「いつもほほ笑ましく眺めている。話をしても野菜の名前が次々出てくる。小学生なのにすごい」と目を細めていた。

 庄司君の夢は、消防団員の父親を見て育った影響から消防士になること。「消防士は体力がいる。農作業も体づくりの一つになるのでできる限り続けたい」と笑う。