和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月19日(金)

アート身近に感じて 作家8人の作品70点、27日まで、和歌山県田辺市本宮町

「あとりえ ぐう」で開かれているアート展。出展しているオーナーで画家の宮井佳江さん(左)ら=和歌山県田辺市本宮町で
「あとりえ ぐう」で開かれているアート展。出展しているオーナーで画家の宮井佳江さん(左)ら=和歌山県田辺市本宮町で
ギャラリー森安で作品展を開いている写真家の松原時夫さん(和歌山県すさみ町周参見で)
ギャラリー森安で作品展を開いている写真家の松原時夫さん(和歌山県すさみ町周参見で)
 和歌山県田辺市本宮町本宮、本宮行政局隣にあるギャラリーアートスペース「あとりえ ぐう」で、オーナー兼画家の宮井佳江さん(30)=本宮町本宮=ら県内外の作家8人による絵画やレシートアートなどの作品展が開かれている。27日まで。ギャラリーは今春に一新。宮井さんは「アートを身近に感じてもらえるような空間にしたい」と話している。


 本宮町出身の宮井さんは子どもの頃から絵を描くのが好きで、美術の専門学校に通った経験もある。日本画家・土長けいさん(太地町)に師事し、5年ほど前から「画家よっしー」として活動している。

 「あとりえ ぐう」は「絵を飾る場所ができればいいね」という家族の応援があり、銀行だった建物を活用して昨春オープン。「ぐう」は英語の「good(良い)」にちなんで名付けた。

 これまでに期間限定で展示会を3回開いたが、新たにスポットライトを取り付けたり、壁紙を張り替えたりして、今月12日にリニューアルオープン。同日から始まった第1回アート展は、宮井さんが感銘を受けた作家に協力を呼びかけて開いており、土長さんや大木ジョージさん(みなべ町)、hirokoタイヨウノタネさん(和歌山市)、レシートアートに取り組んでいる現代美術家VIKI(ヴィキ)さんらの作品約70点を展示している。作品やグッズの販売もある。

 宮井さんは「日々の生活を彩ったり、パワーを与えたりしてくれるような作品に出合っていただけたらうれしい」と話している。

 アート展は平日が午後1時~4時、土日曜は午前11時~午後5時で、入場無料。22日は休業。

 19、27の両日には正午ごろから、hirokoタイヨウノタネさんが来場者と対面で話をしながらイラストを描くライブドローイング(両日合わせて先着50人で無料)もある。

■写真家・松原さん作品展
すさみ 駅近くのギャラリー

 和歌山県すさみ町周参見のJR周参見駅近くにあるギャラリー森安で、和歌山市の写真家、松原時夫さん(85)の作品展が開かれている。風景、人物、仏像、花などを撮影した写真19点を展示している。25日まで。時間は午前10時~午後6時。入場無料。

 松原さんは、中学生の時、近所にあった古びた温泉施設を見て「いつ取り壊されるか分からない。記録として残しておかねばならない」と思ったことがきっかけで70年以上、生まれ育った和歌浦の風景を撮り続けている。水辺で暮らす庶民の姿を撮影した写真集「水辺の人」(道音舎)などを3冊出版している。

 今回展示しているのは、11歳の時、菓子のおまけで手に入れたカメラで初めて撮影した母親や人の顔のように見える砂などの作品。フォトグラム、ソラリゼーションといった特殊な技法で撮影した作品もある。

 松原さんは「人為的ではないものに憧れている」と言い、現在は、道路の「白線」や雲なども撮っている。展示期間中、できる限りギャラリーに足を運ぶ予定で、「紀南のカメラマンと交流できればうれしい」と話している。

 ギャラリー森安は、カナダ在住の写真家、那須則子さんが、呉服店だった築約120年の実家を改築して開いた。不定期でさまざまなアーティストの作品を展示している。

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