和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月17日(火)

小学生がクマノザクラをガイド 古座川町観光協会が育成

矢倉寛之さん(左)からアドバイスを受ける児童=和歌山県古座川町池野山で
矢倉寛之さん(左)からアドバイスを受ける児童=和歌山県古座川町池野山で
 和歌山県古座川町池野山にあるクマノザクラの標本木の前でこのほど、地元高池小学校の6年生11人が、地域学習の一環でボランティアガイドの練習をした。児童は開花が予想される3月に、花見に来た観光客らにクマノザクラについて解説する予定だ。

 町観光協会が、小学生ガイドを育成している。講師は協会理事で樹木医の矢倉寛之さん(38)=古座川町長追=が務めた。

 児童は2、3人のグループになり、矢倉さんや大畑眞校長らを花見客に見立てて、先生らと考えたガイド用の文書を交代で読み上げた。標本木の前に設置している、昨年度卒業生が製作した看板やクマノザクラの特徴などについて説明。本番までに、文書を見ずにガイドできるようになることを目指しているという。

 矢倉さんは児童に「自分が楽しくならないと、聞いている人も楽しくならない」と述べ、笑顔で接することや大きな声で説明することなどを強調。それぞれの児童が自然や食べ物など、古座川町の好きなところを付け加えると、さらに良くなるなどとアドバイスした。

 久保朱蓮君(12)は「緊張した。(文書の)漢字の読み方が難しかった。本番ではすらすら言えるようにしたい」と話した。

 矢倉さんによると、標本木の開花は昨年より早くなる見込みで、今後の天候にもよるが「3月15日ごろに満開になるのでは」と話した。

 紀伊半島南部に自生するクマノザクラは一昨年、国内の桜の野生種として約100年ぶりに新種と発表された。標本木は、新種と特定する論文を発表する際、標本にされた木で、町はクマノザクラを町花にしている。

 町観光協会は児童対象のクマノザクラ学習事業として、卒業記念植樹、道案内看板の製作も予定している。