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2024年12月27日(金)

白浜町が上位入賞 和歌山県広報コンクール

コンクールで入賞した広報を読む久村一夫さん・久子さん夫妻と担当職員の大平幸宏さん(右)=和歌山県白浜町上露で
コンクールで入賞した広報を読む久村一夫さん・久子さん夫妻と担当職員の大平幸宏さん(右)=和歌山県白浜町上露で
 第17回和歌山県広報コンクール(県広報協会主催)で、白浜町の2019年9月号が「一枚写真の部」で1位、「広報紙の部」(町村部)では2位になった。上露(こうづゆ)地区で暮らす高齢の夫婦が「限界集落」で住み続ける理由を紹介する特集が評価された。

 一枚写真の部では2年連続の1位。担当する町総務課の大平幸宏さん(34)は「入賞はうれしい。これからも『読んでみたい』と思われるような広報紙を作っていきたい」と話している。

 大平さんは、敬老月間(9月)にちなんだ特集を組めないかと企画。町地域包括支援センター職員からの提案もあり、上露地区の久村一夫さん(98)・久子さん(91)夫妻を取材した。地区で暮らす唯一の住民の声を紹介することで、「限界集落」や「超高齢化」という言葉だけでは見えない思いを読者に共有してもらおうと考えた。

 約1時間半の取材では、2人が不便さを感じていないことや、お互いの存在があるからこそ地区で暮らしているとの思いを引き出し、文章にまとめた。縁側でほほ笑む2人を撮影した写真は、カラーで広報紙の表紙に使った。200枚ほど撮った中で「手応えのあった1枚」という。

 久子さんによると、表紙を飾った反響は大きかった。「『元気そうやね』と久しぶりに連絡をくれた知り合いもいたし、見知らぬ町内の女性が『お二人の笑顔にウレシクなりました』と書いてくれたはがきも届いた」と笑う。一夫さんは「上手に撮ってくれたのでよかった」と振り返る。

 コンクールは、写真家やフリーペーパーを発行する会社が広報紙のデザインなどを評価して点数を付ける。対象は市町村の1~12月の発行分。

 紀南では、広報紙の部(市部)で田辺市の8月号が2位。一枚写真の部で、すさみ町の12月号が3位に入った。北山村の7月号は「組み写真の部」で2位、広報紙の部(町村部)で4位になった。