和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年03月30日(日)

大坊小(田辺)に最優秀賞 旧校舎跡地で農作物栽培、和歌山県農業教育賞

県農業教育賞の最優秀賞を受賞した大坊小学校の全校児童(和歌山県田辺市芳養町で)
県農業教育賞の最優秀賞を受賞した大坊小学校の全校児童(和歌山県田辺市芳養町で)
 和歌山県田辺市芳養町の大坊小学校(全校児童20人)が、県と県農業協同組合中央会による本年度「県農業教育賞」の最優秀賞(知事賞)に選ばれた。収穫した農作物を保護者や地域住民らと一緒に味わうイベントを開いたり、農業を防災に関連付けた取り組みへ発展させたりした点が評価された。


 農業の体験学習などを通じた食育活動に取り組む小中学校を毎年表彰している。本年度は県内14校から応募があり、最優秀賞1校、優秀賞2校、奨励賞2校を選んだ。

 大坊小全校児童は2023年4月から「みんなの力で素敵(すてき)な畑に!」を合言葉に、学校敷地内にある旧校舎跡地(約160平方メートル)で継続的にさまざまな農作物の栽培に取り組んでいる。前年度の県農業教育賞では奨励賞を受賞した。

 本年度は、育てたい作物や収穫後の活動について全校児童にアンケートを取り、児童が主体的に計画を立てた。前年度の農作業で学んだことを踏まえ、畝作りやマルチ張りなども児童だけで取り組み、年間で20種類以上の作物を育てた。

 トウモロコシやキュウリ、サツマイモ、ダイコンなどのほか、本年度は新たにメロンとスイカの栽培に挑戦。収穫後は「メロン・スイカ祭り」を開いて皆で味わったり、地域の夏祭りで「スイカ割り」をして楽しんだりした。

 さらに高学年の防災学習がきっかけでグラウンドに設置された、手作りの「かまどベンチ」を活用。収穫したサツマイモで豚汁を作って炊き出し訓練をしたり、焼き芋パーティーをしたりと、防災と畑作りを関連付けた取り組みにつなげた。

 このほど受賞の伝達式が同校であり、県農業協同組合中央会の小川純生常務理事らが訪れ、表彰状を贈った。児童を代表し、6年の宮﨑大翔君が「愛情を込めて育てた野菜がとてもおいしいことを学んだ。僕たちは畑で野菜を育てたけれど、僕たちが畑に育ててもらった気がする。これからも畑作りを頑張りたい」と述べた。

 紀南ではこのほか、新宮市の高田中学校が優秀賞に選ばれた。