和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年01月08日(水)

【若手社員1,200人調査】メンタルサポート新人の4人に1人が「全くしてもらっていない」と回答

ALL DIFFERENT株式会社
メンタルサポートの実態、「励まし・応援」「安心させる」声掛けがトップ




累計13,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞崎大輔)および人と組織の未来創りに関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所は、2024年10月12日~10月15日の期間で、社会人1年目から4年目の若手社員1,200人に対し意識調査を実施いたしました。


若手社員への育成は大きく分けて「業務支援」「精神支援」「内省支援」の3つの支援があると言われています。前回は「業務支援」の実態(*1)を公表しました。今回は精神支援(*2)の実態を調査・分析します。



*1若手社員1.200名の意識調査(業務支援編)  https://www.all-different.co.jp/download/all/news_20241223.pdf
*2精神支援とは、ストレスや不安を軽減し、やる気を引き出すサポートをすること

〈背景〉 
日本で深刻化する少子高齢化に伴う労働力不足を背景に、企業が成長していくためには、組織の要でもある労働者一人ひとりの能力を最大限に発揮していくことが必要不可欠です。しかし、厚生労働省の調査結果(*3)によると、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合は、半数を超えるといわれています。



組織力を最大化するためには、このようなストレスを軽減し、仕事の意欲増進につながる精神支援のサポートが重要です。そこで、本レポートでは、若手社員が精神面においてどれだけ支援をしてもらっているか、精神支援の実態を公表します。

■調査結果の概要
● 4人に1人の新人が、上司や先輩から精神面の支援を「全くしてもらっていない」と回答
● 精神支援をしてくれる相手は「同じグループ・チームの先輩」がトップに
● 精神支援の内容、社会人1年目には「励まし・応援」「期待」、2年目には「成長の伝達」が多い
● 支援に対する気持ち、「嬉しい」「感謝」が多く、成長していることを伝えると「成長のために頑張ろう」の受け止め高まる

<考察> 若手が安心して働ける環境を、包括的なサポート整備で実現


*3厚生労働省「安全労働衛生調査(実態調査)」 https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001001667.pdf

■調査結果の詳細
4人に1人の新人が、上司や先輩から精神面の支援を「全くしてもらっていない」と回答
まず初めに、社会人1年目~4年目の若手社員に対して、上司や先輩からの精神面における支援が十分と感じているかを質問しました。

結果、「十分にしてもらっている」「してもらっている」と回答した割合は、社会人1年目は57.0%、社会人2年目は54.0%、社会人3年目は59.7%、社会人4年目は56.4%となり、各年次共通して半数以上が精神支援をしてもらっていると回答する結果となりました。その中で、「十分にしてもらっている」と感じる割合は、社会人1年目が最大で22.7%となりました。

一方、「全くしてもらえていない」と回答する割合は、社会人1年目が25.3%と最大となり、4人に1人が全く精神支援されていないと感じている実態が明らかとなりました。(図1)



精神支援をしてくれる相手は「同じグループ・チームの先輩」がトップに
次に、社会人1年目~4年目の若手社員に、誰から支援を受けているか質問しました。

社会人1年目では、30.7%が「同じグループ・チームの先輩」と回答し、次に「役職が1つ上の上司」(28.3%)、「同期」(24.7%)と続きました。

社会人2年目も同様に「同じグループ・チームの先輩」と回答する人が29.3%と最も多くなり、「役職が1つ上の上司」(25.3%)、「同期」(24.7%)と続きました。

社会人3年目も「同じグループ・チームの先輩」と回答する人が32.3%と最も多く、この割合は、他年次と比較し最大の割合となりました。次いで、「役職が1つ上の上司」(26.0%)、「同期」(22.7%)と続きました。

社会人4年目も「同じグループ・チームの先輩」が30.7%と最大となり、次に「同期」(28.3%)、「役職が1つ上の上司」(28.0%)と続きました。

これらの結果より、全年次共通して「同じグループ・チームの先輩」「役職が1つ上の上司」からの支援が多いことがわかりました。また、社会人4年目では「同期」の存在が高いこともわかりました。(図2)



精神支援の内容、社会人1年目には「励まし・応援」「期待」、2年目には「成長の伝達」が多い
ここからは、具体的に精神面でどのような支援をしてもらっているか、年次別に支援内容を見ていきます。

 社会人1年目では、「励ましや応援をしてくれた」と回答した割合が32.1%と最大の割合となりました。この割合は、他年次と比較して6.9ポイント以上高くなり、突出した結果となりました。次に「安心させてくれた」(31.3%)、「成長していることを伝えてくれた」(23.2%)が続きました。また、社会人1年目では、「期待してくれた」(21.0%)の回答も、他年次よりも高くなった点も見逃せません。

 社会人2年目では、「安心させてくれた」が34.0%と最大の割合となり、次に「成長していることを伝えてくれた」(24.7%)、「不安・不満を聞いてくれた」(21.7%)が続きました。

 社会人3年目では、「安心させてくれた」が30.8%と最大の割合となり、次に「成長していることを伝えてくれた」(21.9%)、「雑談をして気を紛らせてくれた」(19.8%)が続きました。

 社会人4年目では、「安心させてくれた」(33.2%)、「励ましや応援をしてくれた」(25.2%)、「成長していることを伝えてくれた」(18.9%)と続きました。(図3)



支援に対する気持ち、「嬉しい」「感謝」が多く、成長していることを伝えると「成長のために頑張ろう」の受け止め高まる
最後に、精神支援の内容を、若手社員はどのように捉える傾向があるか、年次共通の結果を見ていきます。この章では、支援内容として回答の割合が高かった「安心させてくれた」「励ましや応援をしてくれた」「成長していることを伝えてくれた」の3つの項目に関する支援内容への捉え方を取り上げます。

安心させてくれた「安心させてくれた」という精神支援内容では、半数以上が「安心した」(56.7%)と捉える傾向にありました。次に、「嬉しいと思った」(37.0%)、「感謝の気持ちを抱いた」(32.8%)が続きました。(図4)





励ましや応援をしてくれた「励ましや応援をしてくれた」という精神支援内容では6割の若手社員が「安心した」(60.9%)と回答する結果となりました。次に、「嬉しいと思った」(37.7%)、「感謝の気持ちを抱いた」(37.3%)が続きました。(図5)





成長していることを伝えてくれた「成長していることを伝えてくれた」という精神支援内容では、「安心した」が44.0%と最大の割合となりました。他の項目と比較した際、「感謝の気持ちを抱いた」(41.6%)や、「成長のために頑張ろうと思った」が(32.1%)が突出する結果となったことが特徴です。(図6)





■まとめ 
本調査より、年次関係なく半数以上が精神支援をしてもらっており、最も多い精神支援者は「同じグループ・チームの先輩」であることが分かりました。

年次別に比較すると、社会人1年目では「十分支援してもらっている」と回答する割合が2割を超える一方、「全く支援してもらっていない」と回答する割合も2割を超える結果となり、4人に1人の新人が精神支援をされていない実態が明らかとなりました。

具体的にしてもらっている支援では、社会人1年目は「励まし・応援」や「期待」など、鼓舞するような言葉をかけてもらっており、それにより安心感や嬉しい気持ちにつながっていることが分かりました。社会人2年目になると成長を感じられるようなサポートがされており、「成長のためにさらに頑張ろう」と意欲が高まる結果につながっていました。このような声掛けによる精神支援はされていたものの、「自分の感情の言語化へのサポートをしてくれた」「別の相談先や関係者を紹介してくれた」「業務のアサインを調整してくれた」「定期的に相談できる機会を設けてくれた」など、具体的な解決策に繋がる支援は、年次関係なく低い結果となりました。

■CLM(最高育成責任者)の考察
周囲と連携した包括的なサポート体制が、組織風土活性化と組織の持続的な成長を実現
本調査結果から、若手社員に対する精神支援の重要性が明確になりました。特に、社会人1年目の4人に1人が精神支援を全く受けていないという現状は、組織の成長を阻害する要因となり得ます。精神支援は必ずしも具体的な解決策を提示する必要はありませんが、上長や同僚と連携し、包括的なサポート体制を整えることが求められます。例えば、メンター制度の導入は、若手社員が定期的に相談できる場を提供し、彼らの成長意欲やモチベーションを維持・向上させる効果が期待できます。メンター制度は、育成対象者だけでなく、育成担当者自身の成長にも寄与し、組織全体の風土を活性化させるでしょう。導入に際しては、制度の目的や役割を明確にし、運用方法を初期段階で設定することが重要です。

また、精神支援の体制を見直すことで、精神支援に留まらない支援が必要となる場合にも、周囲と連携して包括的な解決策を検討することができます。例えば、「定期的に相談する場」を設けることで、若手社員が安心して働ける環境を整えることができます。これにより、彼らの成長意欲や上司への貢献意識が高まりやすくなります。精神支援のあるべき方法を組織としてノウハウを蓄積していけるように、まずは若手社員に対する精神支援の実態を把握してみてはいかがでしょうか。

精神支援の体制を整えることは、組織の持続的な成長に繋がると考えます。若手社員が安心して働ける環境を整えることで、彼らの能力を最大限に発揮させ、組織全体のパフォーマンス向上に寄与するでしょう。

事業会社を経て、2010年にALL DIFFERENT株式会社(旧トーマツイノベーション株式会社/株式会社ラーニングエージェンシー)に入社。コンサルタント業務・講師業務を通じ、年間100~150社ほどの組織開発・人材育成を支援する傍ら、社内の育成責任者としても活動。大阪支社の立ち上げに参画し、営業リーダーとして年間目標達成に導いた後、本社にてコンテンツ開発業務に従事。中堅・大企業向けコンサルティング事業部門の責任者を歴任。日本経済新聞、NHKなどメディア出演多数。

ALL DIFFERENT株式会社
事業開発推進本部 シニアマネジャー
開発室 室⾧
CLM(最高育成責任者)
根本 博之(ねもと・ひろゆき)




■調査概要

*本調査を引用される際は【ラーニングイノベーション総合研究所「若手社員の意識調査(精神支援編)」】と明記ください
*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています
*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます

ラーニングイノベーション総合研究所
人と組織の未来創りに関する様々な調査・研究活動を行っている当社研究機関。データに基づいた組織開発に関する解決策を提供。

ALL DIFFERENT株式会社
組織開発・人材育成支援を手掛けるコンサルティング企業。
人材育成から、人事制度の構築、経営計画の策定、人材採用までの組織開発・人材育成の全領域を一貫して支援。

《沿革》
2006年 トーマツイノベーション株式会社として人材育成事業を開始し、業界初や特許取得のサービスを多数開発・提供
2019年 株式会社ラーニングエージェンシーとして、デロイトトーマツグループから独立
2024年 ALL DIFFERENT株式会社へ社名変更

代表取締役社長 眞崎 大輔
本社所在地   〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F
支社      中部支社、関西支社
人員数     316名(2024年4月1日時点)
事業      組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施
サービス    定額制集合研修「Biz CAMPUS Basic」/ライブオンライン研修「Biz CAMPUS Live」/ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」/ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」/IT技術習得支援サービス「IT CAMPUS」/デジタルスキル習得支援サービス「DX CAMPUS」/管理職アセスメント「Discover HR」「Competency Survey for Managers」/人事制度構築支援サービス「Empower HR」
経営計画策定支援サービス「Empower COMPASS」/転職支援サービス「Biz JOURNEY」ほか
URL       https://www.all-different.co.jp/corporate
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