紀州材のスピーカー商品化へ ヒノキやスギを振動板に
和歌山県白浜町の元会社員、早出正さん(72)と田辺市上野の建設会社「ヤマト建設」社長の山本敏雄さん(73)が、紀州産のヒノキやスギを振動板にしたスピーカー作りに取り組んでいる。いまは試作段階で、2、3年後の商品化を目指している。
長野県出身の早出さんは、精密機器メーカーの「諏訪精工舎」(現セイコーエプソン)で腕時計の製造や商品開発などを担当していた。49歳で退職し、その後、香港で電子関連の会社を創業するなどして、2009年に夫婦で白浜町へ移住した。
元来、音楽が趣味で自宅には約4千枚のレコードを保管している。オーディオルームで音楽鑑賞を楽しんでいるが、スピーカーの音質にさらに磨きをかけ、音をコンサートホールで聴くような響きにしたいと考えていた。
スピーカーの振動板は、主に紙が使われている。早出さんは、山に伐採されたスギやヒノキが放置されているのを見て、紀州産の木で振動板を作りたいと思った。3年前から本格的に製作に乗り出した。
振動板は、厚さ1ミリ程度でなくてはならないが、市販の板は全て5ミリ以上。自分で薄くしようと試みたが、厚さを均一にするのは難しかった。そこで、知人を通じて紹介された建設会社を営む山本さんに協力を仰ぎ、薄くて曲げてもひびが入ったり割れたりしない振動板をいろいろな材質で試作した。
いずれの振動板も中音域のスピーカーで、早出さんによると、材質によって音色が異なり、スギやホオノキは力強い音が出て管楽器やジャズ向き、ヒノキやウバメガシは綿密な音で弦楽器やボーカルに適しているという。
低音域は市販のスピーカーを用い、一体化させて「紀州ウッドスピーカー」を完成。それらが入った筐(きょう)体も紀州ヒノキの無垢(むく)で制作した。紀州材の振動板は、聞きたい音楽によって取り替えることができる。
早出さんは「紀州ウッドスピーカーは音の直進性が強く、横に置いた場合は、音場が横に広がり、オーケストラの演奏を聴く場合に効果があると考えている。山本さんとともにさらに完成度を高めていきたい」と話している。
長野県出身の早出さんは、精密機器メーカーの「諏訪精工舎」(現セイコーエプソン)で腕時計の製造や商品開発などを担当していた。49歳で退職し、その後、香港で電子関連の会社を創業するなどして、2009年に夫婦で白浜町へ移住した。
元来、音楽が趣味で自宅には約4千枚のレコードを保管している。オーディオルームで音楽鑑賞を楽しんでいるが、スピーカーの音質にさらに磨きをかけ、音をコンサートホールで聴くような響きにしたいと考えていた。
スピーカーの振動板は、主に紙が使われている。早出さんは、山に伐採されたスギやヒノキが放置されているのを見て、紀州産の木で振動板を作りたいと思った。3年前から本格的に製作に乗り出した。
振動板は、厚さ1ミリ程度でなくてはならないが、市販の板は全て5ミリ以上。自分で薄くしようと試みたが、厚さを均一にするのは難しかった。そこで、知人を通じて紹介された建設会社を営む山本さんに協力を仰ぎ、薄くて曲げてもひびが入ったり割れたりしない振動板をいろいろな材質で試作した。
いずれの振動板も中音域のスピーカーで、早出さんによると、材質によって音色が異なり、スギやホオノキは力強い音が出て管楽器やジャズ向き、ヒノキやウバメガシは綿密な音で弦楽器やボーカルに適しているという。
低音域は市販のスピーカーを用い、一体化させて「紀州ウッドスピーカー」を完成。それらが入った筐(きょう)体も紀州ヒノキの無垢(むく)で制作した。紀州材の振動板は、聞きたい音楽によって取り替えることができる。
早出さんは「紀州ウッドスピーカーは音の直進性が強く、横に置いた場合は、音場が横に広がり、オーケストラの演奏を聴く場合に効果があると考えている。山本さんとともにさらに完成度を高めていきたい」と話している。