和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月27日(水)

南米の日系中学生がホームステイで交流

引き合わせであいさつする日系中学生とホストファミリー(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
引き合わせであいさつする日系中学生とホストファミリー(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
 独立行政法人国際協力機構(JICA)の「日系社会次世代育成研修」で来日している南米の日系中学生34人が25~27日、和歌山県田辺・西牟婁でホームステイした。紀南の文化や生活に触れたり、中学生らと交流したりして「いい経験ができた」と喜んだ。

 訪れたのはブラジルやアルゼンチン、ペルー、ボリビア、パラグアイの南米5カ国の日系中学生。14日に来日し、横浜市にあるJICA横浜国際センターや中学校で研修や交流をしてきた。研修は2月6日までで、日本の生活を体験するために紀南地方まで足を延ばした。

 25日午後、田辺市高雄1丁目の市民総合センターに到着。ホストファミリーを務める田辺市や白浜町、上富田町の19家族が出迎えた。お互いに自己紹介をした後、それぞれの家庭に分かれた。

 ホームステイでは一緒に料理を作って食べたり、だんらんのひとときを過ごしたりしたほか、買い物や観光名所巡りを楽しんだ。ほとんどが日本に来るのは初めてで、さまざまなことに興味を持って体験。明洋中学校の生徒とも交流した。

 田辺市中辺路町北郡の井谷好行さん(35)・唯さん(33)夫婦は、長女の中学1年、譲葉さん(13)と次女の小学5年、優奈さん(11)の「外国の人と交流したい」という希望で受け入れ、一緒にたこ焼きやチョコレートを作って食べたり、世界遺産の熊野本宮大社に参ったりした。唯さんは「子どもも最初は緊張していたが、すぐに仲良くなった。私たちもいい経験ができた」。アルゼンチンから訪れた日系3世の西沢ミカエラさん(15)は「たこ焼きを作ったり、言葉を教え合ったりしたのが楽しかった。また機会があったら来たい」と語った。

 紀南地方は、ブラジルなど中南米に移住した人が多く、移住者やその後の世代との交流が今も続いているとして、県中南米交流協会が受け入れの世話をしている。今回は2年前に続いて2回目。