和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

落ちアユ狙い網投げる ササ立て漁最盛期、和歌山県古座川

小鷹網を投げる上野泰義さん。円内は網にかかったアユ(和歌山県古座川町立合で)
小鷹網を投げる上野泰義さん。円内は網にかかったアユ(和歌山県古座川町立合で)
 和歌山県古座川町を流れる古座川で、産卵のために川を下るアユを狙った「ササ立て漁」が最盛期を迎えた。漁期は12月19日まで。


 ササ立て漁は、川を横切るようにササを立て、下ってきたアユを小鷹網で捕獲する伝統的な漁法。川を完全にせき止めないよう、立てるササの間隔が決められている。漁期は9月20日から。

 川の中流域に当たる立合では、上野泰義さん(78)=古座川町宇津木=が毎日のように朝早くから漁を続ける。アユの姿が確認しやすいように川底に白い石を並べる工夫をしており、13日も午前7時から漁を始めた。川より高い場所から川の様子を見たり、川の中でじっと待ったりして網を投げるタイミングをうかがい、アユの群れが近づくと約8メートルの網を投げた。1度に20センチ前後のアユ5~10匹ほどがかかり、大きいものでは23センチあった。

 上野さんは「10月末ごろから取れ始めた。今年は150匹から200匹くらいの日が4、5日続いたが、300匹以上の日はまだない。1年の暦の一つになっている。網を放ってかかるか、かからないか、網を放るタイミングが面白い」と話している。