和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

小学生、医療を楽しく学ぶ

光を当てたときの瞳孔の動きを見せる消防隊員と、興味津々な児童(和歌山県田辺市南新万で)
光を当てたときの瞳孔の動きを見せる消防隊員と、興味津々な児童(和歌山県田辺市南新万で)
 和歌山県田辺市南新万の田辺東部小学校でこのほど、6年生56人を対象にした地域医療の講習会があった。医大生や医師、消防隊員が講師を務め、仕事内容の紹介や医療機器の体験を通して、児童らに医療の楽しさを伝えた。


 田辺東部小の卒業生で、関西医科大学6年の長嶋美雪さんが中心になって企画した。長嶋さんは、閉塞(へいそく)的なイメージのある医学部を変えようと、全国各地の医学生と協力し、地域医療などについて学ぶ活動をしている。未来を担う子どもたちにも医療の楽しさを伝えたいと母校に依頼し、初の取り組みが実現した。

 この日は長嶋さんのほか、関西医科大学4年の芦田奈津さん、紀南病院の医師2人、田辺市消防本部の消防隊員6人が参加。搬送や心電図など七つの体験を用意し、医療機器の使い方などを教えた。

 瞳孔について学ぶ体験では、児童はペアを組み、片目を隠した手をよけたときに、瞳孔がどのように動くかを観察した。担当の消防隊員も、診察で実際に使うライトを目の前にかざして実演。「目に入る光の量を調整するために筋肉が動き、光が当たると小さく、暗い所では大きく開く」と仕組みを伝えた。

 酸素飽和度(SpO2)を調べる体験では、専用機器を自分の人さし指に挟んで確認。どの指で測っても大体同じ数値になることや、運動後でも数値は減らないことも実験した。

 他にも、字幕や効果音を使って分かりやすく編集した「医者の1日密着動画」を視聴し、医師本人から、1日のスケジュールなどの話も聞いた。

 近藤義和君は「実際にいろんな体験ができたのが良かった。医者は手術をするのが仕事だと思っていたけれど、毎日いろんなことをしているのが分かった」と話した。