和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月23日(土)

自販機でふるさと納税 ゴルフ場2カ所に設置、和歌山県印南町

ゴルフ場に設置された、ふるさと納税の自動販売機(和歌山県印南町古井で)
ゴルフ場に設置された、ふるさと納税の自動販売機(和歌山県印南町古井で)
 和歌山県印南町は、同町南谷の「紀南カントリークラブ」と同町古井の「ラ・グレースゴルフ倶楽部」2カ所のゴルフ場に、ふるさと納税を納めることができる自動販売機を設置し運用を始めた。町企画産業課の平田雅規課長は「寄付増加の起爆剤になれば」と期待している。

 ふるさと納税は寄付した金額の使い道を自分の意思で決められるのが特徴。寄付金額のうち2千円を超える部分については、所得税と住民税から翌年に全額控除される。

 自販機はタッチパネル式。町への寄付は1万~100万円の9種類から選ぶことができる。スキャナーで運転免許証から住所や氏名など納税に必要な情報を読み取り、クレジットカードで決済する。現金は非対応。レシートを受付に持っていくと、寄付額の3割分のゴルフ利用補助券がその場でもらえる。後日、自宅に寄付証明書が届く。

 補助券は当日から施設内で使える。プレー代のほか、地場産品やゴルフ用品、併設するレストランでも利用できる。有効期限は1年間。

 通常、返礼品には送料がかかるが、自販機だとその場でもらえるので送料がかからない。手続きにかかる所要時間は2分ほどで、インターネットよりも手続きが早く済むメリットもある。

 町民が寄付する場合は注意が必要。制度上、寄付は可能だが返礼品は受け取れない。自販機にも返礼品がないことを知らせる画面が出る。

 ふるさと納税の自販機は神奈川県の「グローキーアップ」が開発し、営業委託を受けている大阪市の「サイネックス」が各自治体に展開している。県内では高野町、上富田町に続き3例目。

 初日は、サイネックス社員が、町とゴルフ場職員に自販機の利用法を説明。利用を増やすためには積極的な周知が必要と呼びかけた。ラ・グレースゴルフ倶楽部の黒谷昌史総務課長は「魅力ある町づくりのため、返礼品という形で応援していきたい」と話した。

 印南町のふるさと納税23年度寄付金額は約2億8300万円。本年度は約3億円を見込んでいる。