和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月27日(水)

EY新日本、信頼と信用を基盤にAI活用を推進する体制を強化し、 デジタル監査・保証ビジネスを拡充

AIを活用したユースケースも公表

EYのメンバーファームであるEY新日本有限責任監査法人(東京都千代田区、理事長:片倉正美、以下「EY新日本」)は、次代のデジタル監査・保証ビジネスモデル「Assurance 4.0」(2020年公表)の実現に向け、AIが浸透する社会に対して信頼(コンフィデンス)と信用(トラスト)を提供するため、AIの活用を推進する体制を強化し、デジタル監査・保証ビジネスを拡充することをお知らせします。

 

背景:

近年、生成AIが企業の生産性向上や新たな価値創出に貢献する画期的なテクノロジーとしての地位を確立しています。しかし、生成AIに関しては、知的財産権の侵害や偽情報、誤情報の生成・発信といった新たな社会的リスクも生じています。これに対し、日本においてもAIの安心安全な活用を促進するためのAIガバナンスの統一指針である「AI事業者ガイドライン」が、経済産業省及び総務省より2024年4月に公表されました。

 

成果:

Assurance 4.0の進捗とAIの活用によるリスクへの対応

EY新日本では2016年にAIラボを設置して、日本で開発したAI監査ツールの特許取得やグローバル展開を積極的に進めてきました。また、2020年に専門人材を集結したアシュアランスイノベーション本部を設置して、3つの重点領域を定めて監査業務変革を4年間進め、プロフェッショナルサービスの強化に関して一定の成果を上げることができました。

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M101776/202409186566/_prw_PT1fl_n6Wkt4Ia.png

概要:

AIを活用したアシュアランスサービスの目指す姿

EY新日本は、AIの活用がもたらす生産性の向上とそれに伴う新たなリスクへの対応を目的に、アシュアランスサービスの体制を強化しています。この取り組みにより、法人内での監査業務の変革を推進し、クライアントに対してAIの利用増加に伴うリスクへの対応力を高めることで、信頼と信用を社会に提供していきます。

 

EY新日本に所属する6,000名を超えるアシュアランスプロフェッショナルは、AIの活用により生産性とデータ分析能力を飛躍的に高めウェルビーイングを向上させます。また、サステナビリティを含む企業情報の開示に対して、第三者の立場から信頼と信用を社会に提供していきます。クライアントの財務報告プロセスにおけるAIの利用増加が見込まれる中、EY新日本は独立した第三者として、責任あるAIのガバナンスや内部統制を評価します。財務・非財務のAIを活用したデータ分析により、リスクを可視化し、監査や保証の品質を高めます。これにより監査・保証業務の付加価値を高め、クライアントに対するインサイトの提供や不正会計、グリーンウォッシング(※1)などの社会的懸念に応えていきます。

 

AI活用を推進する体制:

1. AIガバナンス態勢の構築と継続的な評価

EY新日本はEYが公表している「責任あるAIの原則」を遵守し、AI監査ツールの開発、提供、利用を行う事業者としてAI事業者ガイドラインに基づく自己評価を2025年3月までに完了させ、AIガバナンス態勢を強化します。さらに、2023年12月に発行されたISO/IEC42001「AIマネジメントシステム」に対しても、順次対応を進めていきます。なお、EY JapanはAIガバナンス協会に加盟しておりますので、協会活動への参加を通じて、AIガバナンスに関する知見を高めてまいります。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202409186566-O1-143kR4g4

 

2. テクノロジーリスク専門家との連携強化

EY新日本は、2024年7月1日にEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社から加わったテクノロジーリスクの専門家500名とともに、EYのグローバルが策定した「AIアシュアランスフレームワーク」を用いて、クライアントの財務・非財務報告プロセスにおけるAIの活用に対応します。さらに、テクノロジーリスクの専門家がEY新日本のAIガバナンス態勢の強化に関与します。

 

3. AI活用のための教育プログラムを強化

2024年7月にアシュアランスイノベーション本部内に「統計分析チーム」を設置し、監査や保証サービスにおいてAIや統計的な知見を活用し、膨大なデータからパターンを識別し異常を見抜くためのデータ分析のリテラシーを高めていくための取り組みを開始します。

クライアントの財務・非財務報告におけるAI活用に対応できるための社内教育を強化し、AIを利用する際のリスクや必要なガバナンス、内部統制についてIT専門家とともにクライアントと議論できる人材を育成します。

2024年9月にアシュアランスサービスに従事する全EYメンバーを対象としたデジタルフルーエンシー測定(AIやデータサイエンスに関する知見を中心としたデジタル領域のスキルセットを測定し可視化するEY新日本独自のプログラム)を実施します。

 

4. 外部アドバイザーの助言範囲を非財務報告に拡充

これまで東京大学首藤昭信准教授より主に財務報告に対する不正会計予測に関する助言を受けてきましたが、2024年7月より助言範囲をサステナビリティ開示など非財務報告にも拡充し、アカデミアの最先端の知見を活用していきます。

 

5. EYのグローバルネットワークを活用したAIツールの展開

これまでもEYのグローバルネットワークを通じ、EYの各メンバーファームの監査で利用されるAIツールの開発へ継続的に関与してまいりましたが、2024年7月より、日本で開発したAI監査ツールをEYの各メンバーファームに展開するための「Federated Development 」(※2) プログラムに正式に参画し、EY全体で統一されたツールの企画、開発、検証、承認のプロセスに従うことでガバナンスの向上を図ります。

 

<EY新日本のAIガバナンス態勢の全体像>

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202409186566-O2-m46513Gv

 

AI活用のユースケース:

1. これまでの軌跡

<機械学習から生成AIまで>

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202409186566-O3-ciTMY89v

 

2016年の有価証券報告書の不正会計予測に始まり、特許を取得した仕訳の異常検知、長期請負工事の進捗度の異常、小売業の店舗損益の異常、金融機関の自己査定における格付けの異常などさまざまな財務データ、非財務データを用いてリスクのある通例でないパターンについて機械学習を利用して識別するツールを開発し、法人内に展開してきました。直近の決算監査においては約350社の監査でこれらのツールが利用され、42社のKAMに記載されています。

 

最近では、生成AIを活用して、財務諸表の監査手続をサポートする機能や、EYのナレッジデータベースと連携した会計監査トピックに関する情報収集、財務諸表の開示チェックサポート機能を開発しています。そのほか、過去の第三者委員会報告書の情報を活用した不正事例調査に有用なデータベースの構築や、監査法人内の間接業務に関する情報への迅速なアクセスを可能にする社内マニュアルBotなど、多岐にわたります。生成AIの活用により、監査のスピードと品質が向上し、監査人はより複雑で判断力が求められる業務に集中することが可能になります。また、生成AIの利用に際してはMicrosoft Azure上でデータが学習に使用されない環境を整備しています。

 

<過去の第三者委員会報告書の情報を活用した不正事例調査に有用なデータベースの構築>

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202409186566-O4-17Y4hI9Q

2. これからの取り組み

伝統的なAI機械学習や生成AIを含むAIの活用により、財務報告に関する異常検知に加え、サステナビリティ開示やインパクト加重会計(※3)へのAI活用による異常検知など、取り組み範囲を拡大していきます。

衛星データなど非財務データに対してはマルチモーダル AI(数値・テキスト情報だけでなく画像などさまざまな情報形態を学習させることで人間の思考プロセスに近いAI)を活用していきます。

テクノロジーリスクチームは、クライアントのAIガバナンスを評価し、AIマネジメントシステムに関するISO認証の取得を支援します。


EY新日本有限責任監査法人 アシュアランスイノベーション本部長 常務理事 榎本征範のコメント:

「私たちの目標は、Assurance 4.0という次世代のビジネスモデルを実現し、クライアントと社会に対し付加価値を提供することです。EY新日本は、信頼と信用を基盤にAIの活用を推進する体制を一層強化し、生成AIなどの革新的なテクノロジーがもたらす機会を最大限に生かしつつ、新たなリスクにも対応しています。参画したテクノロジーリスクチームの専門知識と、アカデミアの最新の知見を取り入れながら、AIガバナンスの構築と評価、教育プログラムの整備と運用を進め、業界をリードするイノベーションを推進していきます」

 

※1 グリーンウォッシングとは、企業の環境保全活動を実態以上に見せかける行為です。

※2 世界各国のEYメンバーファームにおけるイノベーションをサポートし、グローバルネットワークを活用して、テクノロジーに関する戦略やプラットフォームと整合させることで、革新的なアイディアやソリューションを素早く全世界にスケールさせることを可能にするEYの仕組みです。

※3 インパクト加重会計とは、企業の財務報告において、経済的な成果だけでなく、環境や社会への影響も量的に評価し、統合的に報告するアプローチです。

 

<EYについて>

EY  |  Building a better working world
EYは、「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」をパーパス(存在意義)としています。クライアント、人々、そして社会のために長期的価値を創出し、資本市場における信頼の構築に貢献します。
150カ国以上に展開するEYのチームは、データとテクノロジーの実現により信頼を提供し、クライアントの成長、変革および事業を支援します。
アシュアランス、コンサルティング、法務、ストラテジー、税務およびトランザクションの全サービスを通して、世界が直面する複雑な問題に対し優れた課題提起(better question)をすることで、新たな解決策を導きます。
EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。EYによる個人情報の取得・利用の方法や、データ保護に関する法令により個人情報の主体が有する権利については、ey.com/privacyをご確認ください。EYのメンバーファームは、現地の法令により禁止されている場合、法務サービスを提供することはありません。EYについて詳しくは、ey.comをご覧ください。

 

<EY新日本有限責任監査法人について>

EY新日本有限責任監査法人は、EYの日本におけるメンバーファームであり、監査および保証業務を中心に、アドバイザリーサービスなどを提供しています。詳しくはey.com/ja_jp/people/ey-shinnihon-llcをご覧ください。

 



プレスリリース詳細へ https://kyodonewsprwire.jp/release/202409186566
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